本企画はStudent Formula Advent Calendar 2020で学生フォーミュラ経験者によって12/1から12/25まで1日ずつリレー形式で記事を書くものになります。
前回の記事ははまTさんの「Rally Japan 2021 現地観戦の楽しみ方」
次回の記事はうぇいさんの「社会人一年目のお話」です。
自分も学F入ってから研究の為にF1見るようになった口で、今も昔もラリー好きです。
現地観戦はやったことはないですが、展示イベント等はよく行きましたし、
ゲームはゲームボーイの「アドバンスラリー」から入った口で、PCげーもちょくちょく。
最近は、昔と今のラリーかの走りを比べたり、足回りのドアップの画像みてニヤニヤしてます
(足回りやってると面白い)
社会人の話は自身の前記事の上位互換。
自分は修士終えてようやく社会に出る身なので参考になります。
早く社会人になりたい
では、えっと初めましての方は初めまして。逸見です。
前回の自身の記事はこちらです。
さて、前回はまとまりのない無いようでしたが、今回はあまり注目されない機械摩擦について見ていこうと思います。
ちなみに記事を書いているのは、2020/12/31大晦日、大掃除のさなかやっております汗
後出しで申し訳ございませんが宜しくお願い致します<(_ _)>
自己紹介
エンジン性能(前置き)
インジケーター線図(振り返り)
エンジンの損失(振り返り)
機械摩擦損失
摩擦損失低減について
あとがき
自己紹介
某大学にて2015~2017(2018)に学生フォーミュラをしていた人間です。
担当は、サスペンションと静的雑用、ハイエース運転手(車両運搬係)でした。
メインは2017で2018は研究室本格配属までの設計引継ぎも兼ねてサスペンション設計の補助
をしておりました。
その後、エンジン系の研究室に入り機械摩擦損失に関する研究をしております。
まぁ、興味ある人は、調べてみてください(僕の本名でも出る汗)
さて本記事を書いた動機ですが、
昨今というより自分がフォーミュラをしていた時代、
エンジン班ではなく、シャシー班であったためあまり詳しくはないので恐縮ですが、
エンジン出力、トルク、レスポンス、出力バンド、回転数、(燃費)を
チーム目標に合わせる為、既存部品(ガスケット、カムなど)を組み合わせてみたり、
ドライサンプ化やチームによってはボア径やピストン設計などチューニングエンジンの視点
(既存エンジンをいかに性能上げるか)が多いような気がします。
そこで、少し研究よりな視点を持っていかに性能を満たすかというヒントとなればと思い筆を執った次第です。(既にご存じであればすみませんが、レース業界の人がやってる内容も多少混ぜられたらと思います)
エンジン性能(前置き)
さて、エンジン性能を見るというと素人目線でもまずこれを浮かべるでしょう。
自分が携わった元弊チームマシン
そうです。ダイナパックです。
ほとんどのチームはこれでエンジンの出力カーブとECUをにらめっこすることになるかと思います。
後は、ベンチがあるところは、エンジンベンチで台上試験を行うかと思いますが
駆動系を挟むか挟まないかの違いぐらいで軸出力を取り出すという点では大きな差はないと思います。
(無論駆動損失があるので取り出される出力には差異がある)
個人的に、エンジンの試験条件や試験環境を一定に管理しやすく試験を行いやすい(試験回数を稼ぎやすい)が設置場所と費用がかかるエンジンベンチ
比較的場所を選ばず設備提供を受けやすく、マシン実動状態に近い状態であるが
マシンが必要(車両が出来ないと試験できない、マシンを拘束しないといけず他の作業が出来ない)
で、あまりしょっちゅう試験が行えず試験条件も安定させづらい(ドライバーの足頼み)
ダイナパック・シャシー台といったイメージかな?
で話を戻すと、前章のように部品の組み合わせや吸排気をいじった後、
ダイナパックを使って以下のように出力カーブを見ることになるかと思います。
ここで最終的な、性能を評価し、今までの物と比較することになるかと思います。
が、あくまで結果であり、エンジンの内部でどういう現象が起きてるかを把握するのは難しいのかな
かといって、研究室レベルに筒内圧センサやらエンコーダーやら燃焼解析装置やら導入なんて
まぁ厳しいわけで・・・
ちょっと脱線しちゃいましたが、
つまり、アカデミック的?といいますか、理論出来てるか、エンジンで何が起きてるか、
現象をどうすれば結果に結びつくかというのを考えるとワンランク上に行けるのかなと思ってる次第です。
インジケーター線図(振り返り)
さて、では、エンジンの内部の事象はどう見るかというと、授業で既に受けておられる方が多いかと思いますが、
インジケーター線図または、PV線図(指圧線図ともいう)です。
簡単に言えば、エンジン内部の仕事状態を圧力と容積で出したもので、
中の面積がエンジン内部の仕事になります。
基本的に筒内圧力を上げ、負荷を増やすことで仕事が増えるので、
燃調濃くしたり、圧縮比上げたり、加給したり、カム調整したりして、出力を上げているかと思います。
しかし、一定の所で頭打ちになったり、レスポンスや燃費、エンジンの耐久性とのバランスで
性能アップに苦労するのかなと思います(再度言いますが実体験はなく感想)
一方で、上記図の通り(b)の理想的な波形に対して、現実のエンジンでは(a)のように小さいものになります。(ちなみに吸排気afbの面積の部分は負の仕事)
これは、理想上は投入したエネルギーが完全に仕事として取り出せる状態で、熱効率で言えばほぼ100%の状態(厳密にいえばエンジンの熱効率の100%ではない)です。
つまり、現実ではエンジンの内部で損失が起きているということです。
エンジンの損失(振り返り)
さて、みなさんはエンジンの損失をすべて(大体4つ)言えますでしょうか。
正解は
①冷却損失 ②排気損失 ③ポンプ損失 ④機械(摩擦)損失
ですね(未燃損失は取り上げる人もいれば取り上げない人もでまばらな印象)
エンジンや運転状況によって割合は変わりますが大体この順番です。
個別の詳細につきましては、省きますが(気になる人は調べてみてね)
これらの損失が先程のインジケーター線図に寄与してきます。
https://www.marelli-corporation.com/assets/pdf/innovation/technical-review/vol12/p8-19.pdf
引用した図が荒いので、詳しくはリンク先の資料を見て頂ければと思います。
このような形で、損失が寄与しており、各所対策が練られております。
(油水温だったり、ピストン冠面形状だったり、ターボ化だったりが身近でしょうか)
しかし、この中には機械損失は含まれておりません。
機械摩擦損失
では、機会損失はどこに含まれているかといいますと、
まず、上記インジケーター線図の面積の仕事から容積を割ったものをIMEPといいます
(厳密にはNMEPなどもありますが、今回はややこしくなるので割愛)
それに対し、エンジン軸出力またはシャシ台などでトルクを計測し、そこから仕事を
算出した物をBMEPといいます。
端的に言えば、IMEPはエンジン内部での与えた仕事、
BMEPは実際にエンジンから取り出された仕事と簡単に表現します。
その間には、ピストン、クランクシャフト、補器類、(トランスミッション、駆動系)などが付いておりここで損失が起きます。
それが機械損失です。
このなかでも、補器類による損失(補器損失)と摺動部品の損失(摩擦損失)に大別され、
FMEP=IMEP-BMEP
という式で表されます。(厳密には補器を除いた状態の摩擦損失=FMEPで話されることが多い)
補器損失は、オルタネータ、ウォーターポンプなどで
電動ウォーターポンプや抵抗の少ないオルタ(併せて消費電力押えたり)にするなどが対策でしょうか
摩擦損失は広義的に言えば、駆動系やタイヤ、ベアリング等の転がり抵抗などもありますが、
今回は、自分が携わるエンジン内部についてちょっと掘り下げます。
摩擦損失低減について
エンジン内部の摩擦損失について、多くは下記のような部品が挙げられます。
ピストン、ピストンリング、シリンダライナ(シリンダブロック)、エンジンオイル、クランクシャフト
、メタル、カムシャフト、バルブ、オイルシール、チェーンテンショナetc
それぞれ調べるといろいろな対策があり、表面処理や表面の粗さなどあり、
既にスポンサーにお願いしているところもあるかと思います。
軽くどういうことがあるのかだけ趣旨の通り、軽く触れようと思いますが、
まず表面性状に関しては、ショットピーニングなどが有名かと思います。
また表面処理としてはコーティングが最近話題で、DLCや樹脂コート、後は材料に混ざて
というのもありますね。(学F的にはショットの方がやりやすいのかな?)
といろいろあるので、調べてみるのもありかなと思います。
で、個人的に着目するならピストンリングかなと思ってます。
特に低張力ピストンリングが割とメジャーかなと思います。
レーシング用のピストンリングとかは大体はこれ?
というのも張力を下げるとオイル消費が増える傾向にあり市販レベルではある程度張力があるのですが、ことレースでは、極端な話ワンレースオイルが残ってればよいというのがあるので、
その分筒内圧力が抜けない程度張力下げるというのがあります。(間違ってたらすみません)
基本的には、外注して張力の低いものを作ってもらう(あるいはレース用の物を買う)形です。
が、一部のレース業界の方は、市販品を削って張力落としてるみたいです。
というのも、ピストンリングも変形に対する反力を利用したバネなので、リング外側(摺動面側)
を削れば、それだけ変形が抑えられ張力が下がるという話です。
ただ、表面をいかに均一に削るか、表面の粗さや形状を管理するか、張力の管理をどうするかは
レース屋さんもリングメーカーも極秘なところがあるので
もし興味があれば、調べるなり聞くなり試してみるなりするのもありなのかなとは思います。
(摩擦が半減するなんてこともあるみたい)
それ以外にもリングの断面形状を変えるというのもあります。
ここらへんは、学会(自技会、内燃シンポジウム等)や論文でいろいろ話はでてるので調べてみると
面白いかもしれません。
あとがき
如何だったでしょうか。今回、あまり時間なく、書いてて気が付いたら
言いたいところまでに時間がかかった。終着点があやふやみたいな感じになってしまいましたが、
少しでもヒントになればと思い書きました(答えみたいな感じもあるけど)
摩擦の考えや研究、対策は掘り下げるとかなり奥が深いので興味があれば調べるなり
聞いて頂くなりしてみてください。
後、自分も勉強不足なところありますので、間違いあればご指摘お願いします汗
なので、こればっかりあてにせず情報を集めてください汗
次回は、「不完全燃焼に終わったプロジェクト」あたりを書ければ思いますが、来年どうなる事やら
とりあえず年明けベース書いて、来年末加筆できるようにしときます。








