も「ほんと、あんた、まじで馬鹿なんじゃないの?」

 

 

いやいや、ちょっと待て。

 

 

いくらなんでもその言いようは酷いんじゃないか?

 

 

ってこんなことになってしまったからには

 

 

そんなこと言えるはずもなく、

 

 

な「いやだって正直、

 

OKされるなんて、毛程も思ってなかったんですもん」

 

 

コソコソと周りの生徒たちが噂話をする中、

 

 

これでもかとうなだれる、

 

 

それは授業終わりの昼休み。

 

 

 

 

な「ほんっとにごめん

 

さっきのはノリってか、

 

友達とのちょっとした悪ふざけってか」

 

 

放課後、

 

 

さっきの授業でゲットした彼女の連絡先に

 

 

縋り付くような思いで急いでメッセージを送り、

 

 

空っぽの教室で私は全力で頭を下げる。

 

 

目の前の彼女は教室に入ってきた時から、

 

 

まるで銅像のように顔色ひとつ変えることなく、

 

 

私を見つめていて、

 

 

それが私の背筋を凍らすくらいには怖かったりする。

 

 

ゆ「じゃあさっきの申し込みは取り消したいってことですか?」

 

 

やっと口を開いたかと思えば、

 

 

そんなもう頭をさらに下げることしかできない一言。

 

 

な「そういうことです、すいませんっ」

 

 

ゆ「でもそれってあんまり意味ないですよ」

 

 

な「えっ?」

 

 

色のない淡々とした声で

 

 

そう告げた彼女に私は顔をあげる。

 

 

顔にハテナを浮かべるアホ面した私に

 

 

呆れながら、ため息をお見舞いした挙句、

 

 

徐に携帯を取り出し、スクロールを続けた後、

 

 

その画面を私の目の前に突き出してきたりして、

 

 

な「えぇ、これってもしかして」

 

 

ゆ「うん、そのもしかして」

 

 

{付き合ってくれない?私と、、

 

 

いいですよ、、

 

 

えぇ、いいの??

 

 

はい、、、}

 

 

なんてぎこちなさすぎる

 

 

それは私たちの会話。

 

 

ゆ「ほら、これ

 

もう、Twitterにもインスタにも上げられてるし

 

私の友達も信じちゃったんですから

 

今から嘘でしたーなんて言えないですよ」

 

 

正論、、には変わりないんだけど、

 

 

それが今の私には結構なダメージだったりして、

 

 

可愛い顔して結構キツい事言うなって

 

 

彼女を見ながら苦笑い。

 

 

な「でもまだ、私は遊びたい時期ってか

 

付き合うのは性に合わないっていうか」

 

 

ゆ「じゃあどうしてくれるんですか?

 

これじゃあ、スーパたらしに1時間で振られた女のレッテルを

 

私が一生背負い続けることになるんですよ?」

 

 

あぁ、まるで我儘なお姫のように

 

 

真っ赤な顔で頬を膨らます彼女に

 

 

あれ、こんな顔もするんだって

 

 

たかが出会って数時間、

 

 

そりゃ私が知らない一面もあるでしょうよって

 

 

分かってはいるんだけど

 

 

教室に入ってきた時のポーカーフェイスからは想像出来ない

 

 

そんな表情に度肝を抜かれたりして。

 

 

な「りんご、、」

 

 

ゆ「はっ?」

 

 

そんな事を私は口から溢してしまう。