今夜は雨が降っている。その上霧が出ている為かなりジメっとしていて気持ち悪い。
でもそんな中少しだけ綺麗だな、と思える物があった。
雨の中ライトに照らされた緑色の木。
その木にあたった光が霧に反射されて黄緑色の光となって雨を彩る。
普段は透明な水が自然の緑とライトで綺麗な薄緑に彩られている。
彼は無意識なのか
「あぁ、綺麗だな…」
と零した。
確かに綺麗だ。
でも雨に濡れるのは嫌なので霧だけが良い、と思ってしまう。
すると隣に居た彼が携帯をポケットから取り出し写真を取り始めた。
「何してるの?」
「綺麗だから何となく写メ撮ってんの。」
「携帯、壊れちゃうよ?」
「…大丈夫だろ。」
雨の中だと言うのに何をしているのか…
彼の携帯は確か防水では無かったはずだ。
大丈夫なのだろうか…
そんな事を考えていると満足したのか、彼は携帯をポケットに仕舞った。
「あれ、もういいの?」
「ん?…あぁ、携帯で撮っても綺麗じゃないしな。」
「そう…」
まぁ、携帯のカメラ機能は大して良いものではない。
それでも、あれだけ撮れるのだから充分だと思うのだが彼は気に入らないのだろう。
あぁ、明日は晴れるだろうか。
明日は、明日だけは晴れてほしい。
きっと彼は気に入ってくれるはずだ。
僕のお気に入りの場所で
僕のお気に入りの景色を
僕の大好きな人と見たい
あの日見た夕焼けを、君はまだ知らない。
だから僕が、一番良い場所であの日見た夕焼けを教えてあげたい。
はやく明日になれ。
はやく、
はやく、
はやく……
