第1章『零者』
僕はずっと一人だった
今でも一人なんだ…。ずっとずっと暗い箱の中にいれられて
どこか遠くの森に捨てられた。そこで見たもの
幽霊?人間?動物?
今まで見たこともないものだった。そいつらは僕を見て不思議そうにしていた。
僕は助けを呼ぼうとしても誰も来なかった
人一人こなかった…だから自力でこの森をでようとして5ヶ月もかけた
やせ細ってしまった僕の体
いつも木に実ってる木の実ばかり食べた
でも森をでても道がわからなかった。あるとき一人のおばあちゃんに出会えた
「ぼうや?何をしてるんだい??」
「……ぅええええん!!!」
何を言うまもなく泣き崩れてしまった
久しぶりの人のぬくもりだった…
おばあちゃんはこの近くに住む人だった
あの森にいったときの事すべてを話した
ぼくはそこに…住むことになった
そしてそこで僕が見た謎の生物のことも教えてくれた
「それはたぶん零(ぜろ)だよ。」
「ぜ…ろ??」
僕は不思議でたまらなかった
まったく聞いたことのない名前、いったい何なのか何故か好奇心でわくわくしていたほどだ
「この世界に住む、番人みたいなものなんだよ、人が切り崩そうとしている森とかによくいるんだ。
でも不思議だね。普通人間はそんなところにいけないのにねぇ…」
零…それから4年がたった。
あの存在には会っていない、だが親に捨てられたショックが残っていた
学校にも行かず10歳になったある日の事
僕の人生を変える男がやってきた
僕の名前は夏陽狩宗治(10)。本当の上の名前は知らない
おばあちゃんの夏陽狩という名を借りている
「……」
今日もいつものように森を眺めたり
万華鏡を見たりしている
暇な田舎…平和な田舎…
ザァーっと風でゆれる髪と木たち
足音がコツ…コツと近づいてくる
見上げると黒髪の黒いコートを着た男がいた
「君が…宗治くん…かい?」
ポツリとそれだけを聞く
「はい…そうですが?」
「君にも、零が見えるんだろう??」
僕は『零』という言葉に反応してしまった
「僕は零者のホウセンといいます。」
「零者の……ホウセン…さん…ですか?」
空は綺麗な青い空に白い雲
あのとき見た生物が僕に近づいてくる…
プロローグ『零の世界』
この世界には人という存在と霊という存在無きものがいる
そしてもう一つ…
『零(ぜろ)』
人は生命であり存在があり誰にだって見ることができる
霊は生命でなく存在がないだが誰にも見えないわけではない
零はもっとも生命に近い存在のないもの誰にも見れない
零は不思議なことに人の住んでいないところにいる
それは人がそこに住むのを拒否する…というよりいけないのである
これも零の能力である、名を
「零の世界」
彼らをけっして見ることはできない…
だがその零を見ることのできる数少ない「人」がいる
「零者」(れいしゃ)
彼らは霊も見ることができる存在
そのなかのもっとも不思議で特別な少年の話をしよう…
