【リク罠208】「酔わない女(仮)」

 

 

魔人様<リク罠>より~酔った勢いで関係を持った蓮とキョーコ。それ以来蓮からはお酒を理由に誘いながら…さて二人は?

 

 

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「あの…敦賀さん?」
 蓮の言葉の詰まった様子、表情の変化にも、キョーコには何かがいつもと違う事に気付いた。

 

 

 

甘えたい女~もうひとつのお祝い 5

 


「俺には…充分すぎる程に…魅力的になってるよ。…君は……」
「……本当…ですか?」
「俺は…嘘は言わないよ…」

 

 キョーコを見る目が眩しい程に細められて、蓮は思いを口にしてしまっていいのか迷った。
 だが目の前にいるのは…自分を先輩と慕う後輩の目をしたキョーコだ。
「バラエティーでも、女優としても、活躍めざましい京子は、充分魅力的だから、魅力に惑わされた男達には気を付けた方が良いよ」
「私なんか大丈夫ですよ。まだまだ地味で魅力なんかありませんから!」

 

 そう言って自分の魅力に気付かない君を目の前にして…俺は自分の溜息に埋もれるようにして、君を誘った日本酒以外もテーブルに並べて………気付いたら君の唇を奪っていた。

 

 あとはもう…心に従って君を浚って、シーツに縫い止めて、朝目覚めたら…君とベッドだなんて……、君との甘い時間の記憶が途切れ途切れというのは……あんまりだとも思った。
 君を手に入れた嬉しさも大きかったけど、君との初めての時間を覚えていないというのは、不覚としか言えない…。
 折角の君との初めての時間なのに…はぁ~~~。

 

 

 だがその歓びを追い掛けるように沸いたのは、不安だった。
 ……俺は…俺達は一線を越えても今までと同じように、顔を合わせることも出来るのか?
 君との愛しい時間を、今までと同じように過ごせるのか?
 それとも男と女として進んでいけるのか?
 どちらなんだ?

 

 これが、『ミイラ取りがミイラになった』ってやつか?
 君を捕まえようとして、君に掴まってしまった…それも逃げられない……。逃げ道なんて無くていいと思いながら、俺達の関係は…どうなってしまうんだ?
 君を失うことだけはしたくないんだ!

 

 


 少しだけ動いた最上さんに気付いて、声を掛けてみた。


「最上さん? 目が覚めた?」
 ドキッとして身体が動いたキョーコに、蓮は少しだけ余裕の声を掛けてみた。
「目が覚めて驚いた? 俺も少し驚いたけど、君との夜はイヤじゃなかったよ。…と言うより、嬉しかった。だから…これからも同じ時間が欲しいけど…どう? イヤ?」

 

 男としては…彼女に結論を委ねるような曖昧な言葉で…狡い奴だと思ったけれど、俺からだけの言葉よりも、彼女の気持ちも欲しかったから口にした言葉だった。
 彼女にも俺を求めて欲しかった。
 イヤならまた…ただの先輩と後輩に戻るだけだと…そう思いながら、戻りたくないと思う自分は…彼女の滑らかな肌も、彼女の甘さも知ってしまった雄の自分だ。

 

 手放したくないのに口にした言葉を、彼女が頷いただけで…誰が離すものかと強く抱き締めて唇を重ねた。
 もうこれで君は俺のモノだ…!
 もう君は俺のモノだと、誰に何と言われようと彼女を離す気は無いのだと、彼女の躰に…初めてだというのに、もう一度その熱を塗り込んだ。

 

 

 このままだと…俺達はどうなっていくんだ?

 時間が経つほどに、キョーコを手に入れた歓びよりも、不安が大きくなっていった。

 

 躰から始まった関係が、最上さんは頷いてくれたとしても、普通に恋人と言えるとは違うと感じた。
 特に最上さんのように『破廉恥』と言葉にしては、羞恥を感じやすい女性からすれば、先輩後輩からいきなり飛んだ関係だ。俺にとっての愛しく甘い関係であっても、彼女の何処まで踏み込んで付き合えるのかも加減が分からない。
 特に仕事が忙しければ、まともに会えるのも月に何度かわかったものじゃない。


 君が欲しいのに、君に会えさえ出来なくて、君に触れたいのに、声も聞けなくて、……恋い焦がれて触れたから……もう君無くては俺の心はミイラの形も残りもしない…灰になってしまいそうだ……。

 

 

《つづく》

 

 

蓮様ヘタレの極致、ミイラ通り越して灰になりそうだそうです( *´艸`)

 

次甘い予定入り?←いまだ格闘中なり(-_-;)

読めない方は妄想でどうぞ(←オイ( *´艸`))

読まなくても話は通じます

 

あと今回、気のせいでなく話に転がされてる感じが…(^▽^;)

 

 

 

 

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