はい~~、ザザ~~(滑り込み!)
メリークリスマス!
クリスマスイブはダメでしたが、キョコ誕にはギリギリセーフでしょう?(^o^;)
今から思い出すと、何処から落ちてきたネタか思い出せないのですが(ほんの二、三日のはずなのに、何故?)
sei様!
ギリギリ参加で、申し訳ありませんけど、
パスしますのでお受け取り下さいませ!
俺のお陰? 俺のせい?
「あの…私、京子と申しますが…」
店に入り、名前を言って敦賀さんの名前を出そうとしたが、その前に「いらっしゃいませ」と頭を下げられて言葉が止まった。
出来れば『敦賀蓮』の名前は目立つことを考えると、あまり人に聞かれたくなかったから。
「本日のご来店ありがとうございます。お席の方はご用意できておりますが、お相手の方から少し遅れるかもしれないとご連絡がございました。ソフトドリンクでも召し上がりになって、お待ちになりますか?」
対応に出た男性に、キョーコは蓮の名を出さずに二人がディナーを予約した部屋に通された。
蓮の名が必要以上に聞こえないように、お店側も配慮してくれているのがよくわかって、キョーコも安心だ。
今夜はクリスマス。
本来は今日の方がお祝いの日なのに、世間一般はイブの方が楽しそうに盛り上がっている。
でも、私にとっては25日のこの日が…1年に一度の私の誕生日。
事務所に、芸能界に入ってから、マリアちゃんのパーティーから翌日に流れ込むようにして始まった…私の誕生日パーティー。驚き過ぎて、嬉しすぎて……、寂しかった過去の誕生日を埋めてくれたステキな驚きのパーティー。終わるのが勿体なくて、嬉し過ぎるプレゼントも夢のようだった。
でも翌年からは、マリアちゃんがパパの所へ行ったり来てくれる日となり、私は何故か…忙しい筈の先輩との二人きりのディナーを過ごす日になった。
とっても忙しい筈で、忙しくない芸能人も少ない時期なのに、ひと月程前には必ず、
「クリスマスの日、空けておいてね」
そんな言葉を囁かれ、ひとりぼっちの誕生日に気を使って下さっているのかと、こんな後輩にまで気を使って…と、嬉しいけど私以上の人が出来るまでだと、その心づかいを素直に微笑むことにした。
ホントは…心は後輩のままで、そして来年もまた来年も……と望んでしまうのを、図々しい後輩だと思いながら見つめた。でも後輩のままではいつまでもいられないこともわかっていた。
ただ…隣に、近くにいたい人……。
そして……後輩のままでいるのが…苦しく感じはじめた人…。
そして去年のディナーから、二人の距離が変わった。
食事が終わってから、
「もう少し…時間いい? 渡したい物もあるし、うちに来て欲しいけど…」
過剰な程高いプレゼントは止めてもらったけど、昨年迄とは先輩の何処かが違った。
通い馴れた先輩のマンションなのに、いつもと違う緊張感は私だけではないの?
私を待っていたのは、私を装うステキな白いドレス。レースも上品で肌ざわりも良くて、膝より少し長い丈の裾にもやさしいレース。
一目見て高価なドレスと分かると、「こんな高価なドレス、貰えません!」と言えば、困ったような優しい笑みで返された言葉は………
「俺の為に綺麗に装って、
彼女になって……。
恋人になって欲しい。
俺だけの大切な人になって欲しい」
「恋…人……に…?
わ……わた…し…が?」
後輩でしかないと思っていた私に、信じられなくて言葉が続かない。
でも、心は直ぐに歓びの声をあげて、頬を涙が伝わっていた。
「今の君に俺以外に心を寄せる人が居ないのは、リサーチ済みだよ。君の本心を…本当の気持ちを聞かせて。君を愛してるから、君の気持ちも言葉という形で聞きたい。心を重ねたい」
私はただ一言、「好き…です」と言いながら、幸せの涙が溢れて止まらなかった。
敦賀さんは優しく抱き締めてくれて、そのあと甘いキスを何度もしてくれた。
そして、ごく一部の人が知るだけの交際が始まった。
クリスマスの、私の誕生日の約束は、私に変な虫や馬の骨が寄り付かない為の牽制もあったらしい。
思わず私は笑ってしまったけど、敦賀さんにとってはこの日の約束ができるなら、私を手離さなくていいのだと…安心出来たらしい。
私にとっても…この1日に約束したい人は、とても限られているのに…。その約束したいただ一人の人になった。
二人だけでゆっくり出来る個室でのディナー。
部屋に案内されると、さりげなくコートを預かって部屋の中のハンガーに掛けてくれた。そして、私のファーも預かろうと目で促されたが…目を反らしてから、考えてきた言い訳のようなことを言って断った。
「外が寒かったので、連れが来るまでしていたいのですが…」
嘘ではない。…嘘ではないけど、別の理由がある。
それは………。
*******
今日も私にも仕事はあった。
でも、敦賀さんから貰ったドレスは昨夜のうちから準備万端!…とばかりに用意していた。軽く試着してウエストの辺りもチェックして、大丈夫と思っていたのに~~何故?
「あ~ん、なぜ~?ファスナーが上がらないの~?」
昨年敦賀さんから貰ったドレス。レースもステキで、私好みで冬にピッタリだけど、特別な人とだけの時間に着たいドレスなのに~。
昨年は着れたのに、昨夜も着てみたのに何故?
ウエストOK。
でもその上が~~
仕方なく合わせられるショールで誤魔化して、コートも来ていくことにした。お揃いのショールに見えるから、もう少し上がらないファスナーを隠してくれる?
だって、敦賀さんに「昨年のドレス着て来てね」ってお願いされたのに、1年で着れなくなるなんて!
太っちゃたの?
自然と溜め息が漏れる。
敦賀さんが芸能人でも大丈夫なステキなレストランを予約してくれたのに。
ドレスアップでないとダメなのに~~。
でも、ファスナーが上がらないの~~。
昨年から一人暮らしを始めたから、おかみさんにファスナーあげてもらえない。
近くにそんなことを頼める人も居ない。
それなら……って考えたら、一人だけ。
どちらにしても、怒られるかな?
溜息と落ち着かない様子のキョーコのもとへ、「お連れ様がご到着なさいました」のお知らせに、キョーコの笑顔が綻ぶと伝えに来た係りの者も笑顔で頭を下げた。
「遅れてごめんね。キョーコ」
蓮は恋人に謝りながら、さりげなくコートを脱ぐ様さえモデルらしく洗練された美しさがあった。
「お仕事お疲れ様。これぐらい遅れたことにならないわ。業界一とっても忙しい人なんだもの」
恋人になったとは言っても、業界の中での位置はまだまだ遠い人。だから追いかけて追いつきたい人。その忙しさは半端ではないのだから、会えた時には安らげる場所になりたい。
「お二人揃われましたので、料理を出させて頂いてよろしいでしょうか?」
「ええ、お願いします」
「あの…少し、待ってもらえませんか?」
「ん、何?」
キョーコが少し恥ずかしそうに 、「5分だけ二人にしてもらえますか?」と頼んだ。
恋人である蓮にではなく、待っていたキョーコが店に対して更に待たせるのはキョーコらしくないことだ。
「わかりました。ゆっくりご用意させて頂きますので、料理をお持ちしましたら、またお声を掛けさせて頂きます。よろしいでしょうか?」
「はい。すみません」
蓮もキョーコなりの理由があるのならと、二人だけの時間が欲しくて頼んだと分かった。
「どうしたの?」、と声を掛けようとした座ったままの蓮の元に、キョーコは急いで駆け寄って背中を向けて、
「ファスナーを上まで上げてください!」
と…悲鳴にも近い声をあげた。
蓮としても、二人きりの時間をと言われても、キョーコにそれほどの甘い期待はしていなかったが、何を言われるかと思えば……。
「…ファスナー……上げずに来たの?」
「お揃いのショールのファーで隠してだけど、背中のファスナーなんて、簡単に人には頼めないんだもの!!」
「だったとしても……」
恋人の行動に蓮も頭が痛いほど呆れた。
「こんなことしたら、敦賀さんが呆れたり怒られるとは思ったんですが、敦賀さんがこのドレス着てね、って言ってたし、昨日着たときはウエストも大丈夫だったのに、もう少しだけが上がらなくて~~」
「もし見えたりしたら、襲ってくださいって思われるよ?」
「どちらにしても怒られるし、……それなら、敦賀さんなら…いいですから……」
後半は尻窄みになりながら、向けられた後姿からも見える首すじまで真っ赤にしている恋人が、蓮には可愛くて堪らない。
ドレスのファスナーをほんの少しだけ下げた蓮は、自分以外がみることのない印をひとつだけ付けた。
「つ、敦賀さん?」
キョーコの声にも答えることなく、ファスナーを上まで上げて耳もとに囁いた。
「食事の後は、ご希望通り襲ってあげるから、覚悟しておいて」
「き、希望って訳では!」
「うん。あとね、背中からファスナーが上がらない理由、俺のせいだから。それとも、俺のお蔭なのかな?」
ニコニコと上機嫌な恋人は、とっても意地悪です!
≪FIN≫
さてさて、理由は皆さまで考えてみてね(#^.^#)
ギャグ? ラブラブ? 種類分け出来なくなりました![汗](https://emoji.ameba.jp/img/user/so/soukou/6087.gif)
![汗](https://emoji.ameba.jp/img/user/so/soukou/6087.gif)