好きだ愛してる
言葉の意味は様々で君はその言葉を口にする
幾つかの私のつく嘘とたくさんの君の本当
繰り返される微笑みとそれがふっと消える瞬間の連続に、
恐くても目を逸らすことができない
離れないで俺と一緒に居て戻って来て
きっとこれは夢なのだとそこにあるはずの太陽を仰ぐけれど
君がつけた痛みに何かの安堵を見つけて目を閉じる


深愛/夕聖

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夏の終わりの日曜日の朝、時計は7時16分を過ぎた
ナナイロの時間だと君は私に言う
カーテンの向うには青い空が広がり
蝉が鳴き始めていた
膝で眠っている君は揺すったらそっと目を開けた

すっきりと華やかに現れて
シャツから貴女の匂いがしたと君は私に言う
暗い空には明るい月が光り
薄い足元の上に急いで求めてきた親密さに怯える
向けられる笑顔も声も指も透明になる

$歩きながら見えたもの
充分に夏の熱さを孕んだ風が優しく吹く
夕方の陽射しは柔らかく肩に落ち
グラスに付いた水滴をそっと押さえる指先を
見ている
プールサイドのテラスで今年の蝉が鳴いた

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