人生で初めての、息子のいない7月が終わった。

 

毎朝、カーテンを開けて息子の遺影の前に座る。

ご飯とお水を供えて、たまにお菓子も。

お線香とLEDキャンドルを灯す。

 

遺影の写真は、生きている息子と過ごした最後の日のもの。

 

今年の3月末、大阪の息子の所に3泊4日で遊びに行った最終日。

万博記念公園の太陽の塔をバックに並んで撮ったね。

 

家族連れで賑わっていた公園内を

桜の花びらが散る中、二人で並んで歩いた。

 

すごく幸せだった。

でも、今日はもう新潟に帰る日…

ちょっと寂しいけど、また遊びに来よう!

 

なんて思いながら歩いた。

 

穏やかな笑顔、お気に入りのジャケットとボディバッグ。

隣に私が写っている写真。

 

20センチも身長差がある。

逞しくなったね。

 

いつも息子の隣に並ぶと、まるで彼氏の横にいるような

そんな少女のような気持になったよ。

 

その写真の、息子の部分だけ編集で切り取って遺影にした。

 

遺影の前に座っていつも同じことを呟いてしまう。

 

会いたいよ

早くあなたのいる世界へ行きたいよ

ねぇ、生き返ってくれないかな?

かわいいね

いい子だね…

 

まったく受け入れられない自分。

受け入れようとしても、心が拒絶する。

 

死ぬわけないと思っていたから。

 

だってあの時、笑顔で言ったよね?

 

「もう大丈夫だから」

 

って。

 

その言葉を聞いた時、私は心底安心した。

ああ、そうか、この子は生きようとしている、
もう大丈夫だと思ってしまった。

 

確かに息子は生きようとしていたんだと思う。

 

だけど、あれからわずか2カ月半の間に色々なことが重なって

どうすることもできなくなってしまったんだね。

 

生きていても大切な人に迷惑ばかりかけてしまう

と思ったんだね。

 

本当は死にたくなんかなかったんだってわかる。

 

だって、最後まで息子は新潟に帰る日に向けて

行動していたから。