お腹の中に赤ちゃんがいる。
待ちに待った赤ちゃん。
『待望』って、こういう時に使う言葉なのか。
なんて考えるほど、全身で幸福を味わっていました。
そんな気持ちを裏切るような不快感を下半身から感じたのは、産婦人科で『おめでとう』の言葉をもらった翌日のことでした。
全身から滲み出る冷や汗。
恐る恐るトイレで拭ってみると…
出血。
目の前が真っ暗になりました。
震えながら母に電話をして、そのあとすぐに病院へ連絡すると『すぐに来てください』とのことだったので、病院で母と合流しました。
受付の方。
様子を聞きに来る看護婦さん。
みんな、わたしを心配する言葉はかけてくれません。
きっと妊娠初期の出血や流産は『よくあること』で、防ぎ用のない仕方のない事だから。
無責任な励ましは逆に落胆させてしまう恐れがあるから余計な声はかけない。
ということだったのかな?と、今は思うことが出来ますが、
その時は『もう助からないよ』と言われているようで、待合室にいるのが辛かったです。
母だけが「絶対大丈夫だから」と、ずっと背中をさすっていてくれました。
しばらくして診察室に呼ばれ内診を受けると、
「出血してますね。でも赤ちゃんは無事ですよ。」と言ってもらって安心しました。
しかし妊娠初期の出血はよくあることで、安静に為る以外ないとのことだったので、仕事中の主人に電話で事の流れを説明し、少し寝たきり生活をさせてもらうことになりました。
生きた心地がしない。
そんな気持ちを味わったのも、この時が初めてだったように思います。