厚生労働省によると、日本の認知症患者の数は2012年時点で推計460万人とされています。

現在は2018年ですから、500万人は軽く突破していると思われます。

そして、2025年には700万人を超えると予想されています。

認知症の前段階の、いわゆる認知症予備軍を加えると1000万人、国民の12人に1人、65歳以上の高齢者のうち4人に1人が認知症という、日本は世界でも類を見ない超認知症社会の到来をまもなく迎えようとしています。

認知症とは一体何なのか?

実はまだ医学でも解明されていない部分が多い認知症ですが、記憶や学習を司る脳の海馬という部分の機能が低下することにより、短期記憶障害(5分10分前に行ったことや聞いたことを体験ごと忘れてしまう障害)や見当識障害(今いる場所、時間、目の前にいる人物が誰なのかわからなくなる障害)といった中核症状から始まり、徐々にBPSDと呼ばれる様々な周辺症状へと進行していく脳疾患の総称です。

認知症にはアルツハイマー型やレビー小体型、脳血管性型など、タイプによって様々な特徴がありますが、それぞれに合わせた柔軟な対応が求められます。

次回以降、それぞれの認知症のタイプに合わせた実際の現場での対応事例を通じて認知症ケアの在り方を考えていきたいと思います。