きいろとあお☆あらしっく☆ ~心温まる小説を目指して~

きいろとあお☆あらしっく☆ ~心温まる小説を目指して~

中学3年の受験生あらしっくです。

主に小説をかいていきます。

まだまだ下手くそですが、楽しんでいただければ嬉しいです!

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あれから約1週間が経った。



私は窓の外の明るい光を、呆然と眺めていた。



時計の針はもう、10:00を指している。



11:00になったらカウンセラーの先生が来るけど、まだ1時間位ある。




暇だなぁ……




すると突然、ドアがノックされた。



まだ先生がくる時間じゃないし、

誰だろう……




「どうぞ。」と言うと、ゆっくりドアが開いた。





そこにいたのは、車椅子に乗っている和だった。






「かず!!来てくれたの?」



「おう!」



そう元気に答えた和は、ゆっくりと私の所まで車椅子を押してきた。



「体、大丈夫なの?」



「うん。聞いてくれよ!

俺一人で立てるようになったんだよ!



「うそ!ほんとに!?」



嬉しそうにニコニコする和。



良かったぁ……


リハビリ、上手くいってるんだね。



そう安心した私の頭に、あの日の声がフラッシュバックした。






──“お前のせいだ”──






……そうだよ。



私のせいなの。



ごめんなさい……。





「……ごめんね、和。」




無意識に口から出た言葉。



でもこれが、私の和に対する思いの全てだった。



和は私を真っ直ぐ見つめた。


その瞳はどこか悲しそうだった。




「なんでかおりが謝るんだよ。かおりのせいじゃないだろ?


「……私のせいなの。……私が……私が……」





その瞬間、私の体が温かいものに包まれた。



大好きな人の匂い。




「……かず……?」



「……ごめんな、心配させて。怖かったよな……。

大丈夫。かおりのせいじゃないよ。

むしろ俺は、おまえに助けてもらったんだ。

手術してるとき、かおりがずっと俺のこと待っててくれたから。

力をくれたから。

俺は今ここにいるんだよ?




耳元から聞こえる大好きな人の優しい声。


涙が溢れ出した。






「……かおりのおかげだよ。ありがとう。

大好きだよ。





嬉しくて、嬉しくて、


涙が止まる気配は無かった。




“ありがとう。”



“大好きだよ。”




和の言葉のすべてが温かかった。



凍りついた心が溶けていくみたい。



私の頬を濡らす涙を、和がそっと拭う。







「俺がずっとおまえのそばにいるから。」







大丈夫。



私はまた、



前を向いて歩き出せる。