派遣で工員をやっていた当時、一日1000円ずつパチンコに突っ込むのは当たり前、というのが周囲に沢山いた。ならば同額に全く手をつけないで、貯金していったら月に30000円は貯まる、でもって二ヶ月位したら65000円に届いて余裕で吉原高級店いけるじゃないか?という結論が出た。
周囲はパチンコで勝って、どっかで風俗に行くにしても非常にショボイ次元で、なら風俗を目的としているのなら、初めから倹約に倹約を重ねて、高い風俗に行くほうが、結局は楽しい人生ではないか?と。
案外二ヶ月というのは早く過ぎ、たやすく65000円という金額はたまった。どうせ行くのなら派遣の契約が切れるころ、そのお祝いとして高級店いったろうじゃねえかなんて意気込んでいた。一日1000円ずつの貯金は貯まっていき、当時日本で一番高いとされている川崎の某高級ソープにだっていけるじゃねえか?というくらいになっていた。総額にして100000万とちょっと位だったか?派遣の契約切れることそこいったろうじゃねえか、まだ23かそこらの派遣の工員がそんなとこいくっていうのがすげえドラマティックじゃねえかって。
半年ちょっとの契約だったもんで、150000円くらいになってたソープ貯金、なぜか使うのがもったいなくなり、結局ソープには行かなかった。その金でパソコンを買ってしまったんだけど、今思うとあのころ懐かしいなあと。
あのコロにバクチを覚えてたら、かなりにエキサイティングな日常だったかもしれない。なんて甘っちょろいもんじゃねえか?
「大穴当てて高級ソープいったろうじゃねえか!!」冷静になればかなりに可能性の低いハナシだが、でもそんな勢いがなぜかすごく羨ましい。こういう勢いってのが自分の生涯にはなかった。
生涯に彩りのない、つまらない人生。でもあの当時にもっと激しく生きてたら、その部分だけなんかすごくド派手な色彩があるような。