哀しくも美しい、愛の物語ーー。
予告の最後に流れるキャッチコピーがぴったりのミュージカル『オペラ座の怪人』が公開20周年を記念して再びスクリーンに戻ってきています。
絢爛豪華なオペラ座。舞台を彩る衣装。物語に不可欠な巨大シャンデリア。
もう圧巻。
俳優の表情も鮮明で、16才のエミーがかわいくて美しくて。
音響ももちろん、映画館の音響。欲を言えばIMAXで観たいし聴きたいけど、それでも家で観るのとはやはり雲泥の差で…。
あ、ちなみに僕は映画版『オペラ座の怪人』のDVD豪華版を持ってます。確か9000円くらいしたな。
とにかく満足。最高。聴き惚れる音楽と絢爛な映像は目と耳の保養でした。
あまり長々書くのもあれなので、軽く物語に触れるだけにしたいと思いますが。。。
まずはあらすじを。
17世紀末、パリ・オペラ座では華やかなオペラが上演される中、その裏では不穏な怪事件が発生していた。人々は怪人や幽霊の仕業と考え日々恐れをなしていたが、新たな支配人が就任したことで怪人は暴走を始める。
というのも、前支配人は怪人を尊重し、丁重に扱っていたが、新支配人は怪人を無下に扱おうとしたからだ。
実はオペラ座で上演されるオペラは怪人によって書かれており、そのため前支配人は怪人に給料を渡していた。その関係が破綻したのだ。
また、怪人はバレリーナのクリスティーヌの歌の先生でもあった。クリスティーヌの美貌と才能に惚れ込む怪人は彼女がスターになることを望み、プリマドンナのカルロッタを排斥するため、リハーサル中にカルロッタの頭上から背景を落とす事故を起こす。怒ったカルロッタは舞台を降板し、クリスティーヌが代役を務めることに。
見事代役を務め上げ、聴衆からも万雷の拍手を受けたクリスティーヌ。
怪人の目算通り、クリスティーヌはスターへの道を歩み始めるが、そこに幼馴染のラウル子爵がパトロンとしてやって来て、三角関係ができてしまう。
想い合うクリスティーヌとラウル。醜い顔を仮面で隠すが危険で妖しい声でクリスティーヌを誘惑する怪人。先生という立場で望みを繋ぎ、歌手としての成長、稽古と恋人への想いの狭間で揺れるクリスティーヌ。
しかし物語は怪人が引き起こした殺人事件により一気に加速する。怪人が引き起こした殺人事件は、彼の暴走の始まりに過ぎないのだった。
原作、舞台、映画と全パターンを観てる僕ですが、物語として1番面白いのはこの2004年の映画版。
原作とミュージカルはけっこう物語の筋が違くて、そもそもジャンルがまったく別物。原作はホラー、ミステリーやけどミュージカルのほうは恋愛。
で、
で、
ミュージカルのほうは舞台版と映画版の筋はほぼほぼ同じなんですが、ちょこっとだけアプローチの仕方が違う。
そのちょこっとが全編通して観た後に大きな違いを感じさせてくれるんです。
舞台版は『オペラ座の怪人』というタイトルそのままに、怪人にフォーカスしている物語。ラウルは殆ど存在感がないし、クリスティーヌも「まあヒロイン」って感じ。
でも映画版はむしろクリスティーヌがヒロインと言っていいほどクリスティーヌにフォーカスされてるし、映像ならではの細かい表情の芝居とかで、怪人とラウルの間で揺れる「内面」を魅せています。
ナンバー自体は舞台版とほぼ同じですが、そうした映像の中で見せるクリスティーヌの内面の揺れと迷いを払拭した瞬間を実感できることで映画版のクリスティーヌは可憐なだけでなく重厚な役柄になっています。
怪人の悲哀から生まれる狂気の愛とクリスティーヌとラウルの純愛。
最後まで観れば、怪人の哀しくも美しい愛こそ本当の純愛だと思えてくるかもしれません。
とにもかくにもこの素晴らしい映画を大スクリーンで映画館の音響で体感してほしい。
絶対に後悔はさせません。
なぜならクリスティーヌ役のエミー・ロッサムがかわいすぎるから。