yuu777-deepさんのブログ

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「今朝、爺ちゃんが逝ったよ。」
朝、親父からのメール。
いつかはと思っていても…、ショックだった。

「おまえ、葬式どうするの?戻ってくる?」
夕方の弟の電話。
「どうしようかな…。」

ずっと迷っていた。
幼い頃から可愛がってもらい、色んなトコへ連れて行ってくれた、大好きな爺ちゃん。
ただ、10年程前から痴呆症に罹患してしまった爺ちゃんは、日に日に衰弱していって、最近は娘である母ちゃんの事さえも忘れてしまっている様子だった。
「今朝病院行って見てきたんだけど…。
爺ちゃんな、すごく痩せてて骸骨みたいだったよ。
あと、徘徊するからって、最後まで縛られてたんだろうね…、両腕と両足に紫斑ができてた。」
「…そう。
婆ちゃんは?母ちゃんも気落としてない?」
「母ちゃんはまぁ元気だけれど。婆ちゃんは…、気が張ってた分これから分からないよね。」
「うん。そうだよな。
ずっと考えてたけど、おまえの話聞いたら十分やわ。…あんまり、見たくないな。」
「そう。まぁ、向こうの家も来るしな。」
向こうの家は母ちゃんの弟家族で、ずっと爺ちゃんの介護について揉めていた。
叔父さんは誰に相談する事もなく、爺ちゃんが大好きなお酒も婆ちゃんも引き離し、施設へと投げた。

そんな状況、まるで監禁されて殺された様に思えて、嫌だった。

「葬式、おまえは出てくれな。爺ちゃんと最後に呑んできてあげなよ。」
「おう。」

弔い酒。オレも呑むよ。
爺ちゃん、天国で安らかにね。これから好きな晩酌が毎日できますように。
春爛漫ですねっ。
今日は実家から上京して来た両親と弟、幼稚園への入園式を済ませたばかりの姪っ子と妹夫婦と夕食へ行ってきたのです。
家族水入らず。そんな団欒の一時。
京都駅前での居酒屋への移動中、懐いてくる姪っ子と、ずっと手を繋いで歩いていました。
「湊愛ね、りんご組なんだよっ。」
「おー。湊愛に合ってるな。良かったねー。」
「んー音符
満足そうに笑う。
たわいない会話なのだけれど、あんまり終始楽しそうで、こっちまで気持ちが和む。
お店でも、以前は立って騒いでいたのに、行儀良く座ってちゃんとしてるし。
すぐ下に弟が居るせいかもしれないのだけれど、湊愛なりにお姉ちゃんって自覚しているのかもしれない。
ずっと隣に居てくれるのがまた嬉しくて、ビールの一杯目も飲めない程に終始デレデレしていた。
タクシーで帰る妹達を見送る時、
「おじちゃんっ、またねっ!」
って投げキッスしてくれて…。キュン死にかけた。
それでも…。手を振り屈託なく笑う顔を見ていると、やっぱり切なくなる。

姪っ子は生まれつき片方の目が見えない。
神経の問題らしく、移植もできないそうだ。検査でそれを知らされ、気丈な妹が泣いていた。
自分の事のようにショックだった。
こんな可愛い子が、この先云われの無い差別を受けるのかもしれない。
やりたいと願う事ができないかもしれない。

不公平な神様に願わくは、湊愛に友達が沢山できますように。色々な物を見て、健やかに育ちますように。
愛らしい笑顔がいつまでも曇らぬように。
入園、おめでとう。
「美味しかった~。婆ちゃん、御馳走様。」
「あいよ。お粗末様でした。
番茶煎れるね。」
「ありがと。縁側で一服してるよ。」

爺ちゃんと並んで煙草に火をつける。
「ふー。少し食べ過ぎたな。やっぱり婆ちゃんの朝飯が一番美味しいよ。」
「そうか。」
「もうすぐみんなも新年の挨拶に来るだろうし、このまま居るね。」
「ところで…、大阪に戻るのは何日なんだ?」
「3日の晩だよ。夜行バスで大阪戻る。」
「そうか…。明日な、一緒に弥彦へ行かないか?」
「ん?神社詣りに行くの?」
「その後実家にも寄ろうと思ってる。」
「酒蔵にも行く?」
「ああ。見て行くか?」
「行きたいけど、エリが初売りに行きたいって言っててさ。後で相談してみるよ。母ちゃんと一緒に行ってもらえないかって。」
「宜しく頼む。」
「ユウちゃん、ちょっと御神酒の準備手伝ってくれんかね?運んでテーブルに並べてくれたらいいから。」
「うん。」
呼びにきた婆ちゃんと御節料理など準備していると、
「お邪魔しまーす。今年も宜しく~。」
ぞろぞろとみんなが揃った。
「待ってたよー。早速新年会始めようよ、爺ちゃん。」
「ユウは呑みたいだけでしょ?」
「おせちと日本酒目の前にするとなぁ…。
エリも呑むでしょ?」
「呑みたい…かな?
えへへ。」
「ユウ、これも呑んでいいぞ。」
「おぉっ!ありがと爺ちゃん。久保田や、美味そうっ。」
「お酒も料理も揃ったところで始めましょうか。
お父さん。」
「…ああ。
明けましておめでとう。今年も穏やかな正月を迎えられて良かった。一年健やかに過ごせます様に。
乾杯。」
「今年もみんな元気にねっ!」
「乾杯っ!」