おはようございます、345です。
今回は、不定期連載、【四季報の歩き方】です。
四季報で銘柄を探す際の個人的な観点を
優先度順に並べるとこんな感じになりました。
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成長している(売上高←事業規模をみるため、売上高伸び率)
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高い顧客価値、差別化、独自性がある(営業利益率、特色、連結事業、業務内容、業績記事)
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業界のポジションと競合(業種内時価総額順位、比較企業)
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池に魚が泳いでいる(業界・業種・中長期トレンド)
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財務が安定している(資本比率、有利子負債額、現金同等物)
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(本業で)稼ぐちからがある(キャッシュフロー、ROE)
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業績・財務・キャッシュフローが毎年安定している(売上高推移、純利益推移、キャッシュフロー推移)
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配当額は適当である(配当性向、配当額の推移)
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株価が適切である(株価チャート、PER、PBR)
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魅力的な株主優待がある
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その他 株主、連結企業
今回は、
4. 池に魚が泳いでいる(業界・業種・中長期トレンド)
についてお話します。
魚が泳いでいるか、という表現は私が個人的に好んで使うのですが、
要は、投資しようとしている領域・業種において、それぞれの企業はしっかりと利益を上げることができますか?
つまり、その池には活きの良い魚がたくさん泳いでいますか?ということです。
弱り切っている魚(=企業)が数匹しか泳いでいない釣り堀でいくら竿を垂らしても、まともな釣果は期待できませんよね。
なので、やはり活きのよい魚が多く泳いでいる釣り堀(かつ人があまり釣っていないスポット)で魚を釣ることを基本としています。
例えば、過去に悪い例として挙げましたが、地方銀行。
少なくとも、各地方銀行の売上高や株価の推移をざっとみただけでも、先行きがそれほど明るいものではないというのが分かります。
(今後、金利の上昇で少し復活するのを見越してリバウンド狙いという戦略も無くはないですが・・・)
あとは電力会社も同じく、全体としてはかなり苦戦が続いています。
やはり紙ベースの四季報でいいなと思うのは、同じ業界の企業は企業コードが近くて、
四季報の紙面上、隣り合って載っていることが多いので、ここの業界は当面ダメそうだなぁ、とかが一望できるんですね。
逆にこの分野は好調だねってというのもいくつかあったりして、例えば、私が買っている分野ですと医療向けの情報サイト・製薬会社の営業支援系。エムスリー、メドピア、ケアネット、メディカルデータビジョン、どこも好調です。
他にも企業のHR業務・福利厚生のアウトソースを担う領域。具体的にはベネフィット・ワン、バリューHR。最近ですと不動産テック系などもありますね。すでに高値がついている企業が多いのかもですが。。。
私が手を出していないところだと、フィンテック系、M&Aコンサル、コミック系の電子書籍の分野なども業界全体としての売り上げは伸びていますよね。
あとは、四季報の先頭のほうに載っている、「業種別業界展望」や前回取り上げた四季報業界地図なども併用するとさらに理解が深まっていくかと思います。
これらによって、業種ごとの大まかなトレンドが見えてくるし、なぜそのようなトレンドになっているのかということまで理解できると、最終的に銘柄選定・購入する場合にも、自分なりの説得力・納得感が増すのではないかと思います。
特に中長期的な投資を行う場合には、自分なりのストーリーを持つことが大事ですし、そのストーリーは業界のトレンド・方向性がベースになってくるものと思います。
まとめ
同じ業界の企業の情報が一望できるというのが紙ベース四季報のいいところ。
(↑オンラインツールを使って、業種でフィルタリングすればいいんじゃないか・・・という突っ込みはなしで・・・)
業種ごとの中長期的な勢い・トレンドというのを理解すること。
勢いのある分野がどこか、その分野の主要プレイヤーを理解しておくこと。
なぜその業種の勢いがあるのか・ないのか、という理由を理解しておくこと。
おまけ1
四季報の歩き方 記事一覧
おまけ2
四季報の中の人が書いた四季報の読み方講座
https://www.jpx.co.jp/learning/seminar-events/d04/nlsgeu000004nqh8-att/20200408jpxacademyonline.pdf