私を看護師にしてくれた人(その1) | 30代主婦、佐藤の日々の記録

30代主婦、佐藤の日々の記録

30代共働き低収入夫婦が0から貯金をはじめ、この度無謀にもマイホームを購入しました。他にも看護師の転職記やしょーもない日々のことなど、好きなこと書いてます。

 
 
 
 
 
私は看護学生時代、
とにかく実習が嫌いでした。
 
 
 
 
 
 
そもそも看護師になろうと思った理由は
「命を救う手助けがしたいから」とか
「小さい時に看護師さんにお世話になったから」とか
そんな素敵な理由ではなく
 
 
 
職に困らなくて
「1人でも自立して生きていけそうだったから」です。
 
 
 
 
 
それほど強い思いがあるわけではないので
辛いと思ったことはあまり頑張れず
嫌々実習して
逃げるように家に帰る毎日でした。
 
 
 
 
 
 
 
そんな私が学生生活最後の実習で受け持ったのは
いつも笑顔の、明るい女性でした。
 
 
 
 
 
 
 
   最後の実習のテーマは
「ターミナル期の看護」
 
 
 
 
 
 
ターミナル期とは
病気が治る可能性がなく、
数週間から半年程度で死を迎えると予測される時期のことです。
 
 
 
 
 
 
何もできない学生の私を
とびきりの笑顔で受け入れてくれた患者さんは、
全身に癌が転移していた状態でした。
 
 
 
 
 
 
 
 
私を娘のように可愛がってくれて
風邪で休んだ日は
「今日は佐藤ちゃんいないの!?」と言って
寂しがってくれていたそう。
 
 
 
 
 
 

しかし患者さんのADL(日常生活動作)は自立していて、
特別なにか生活のお世話をする必要もなかったので
私は毎日その人の病室に行っては、
患者さんやその娘さんと一緒に
他愛もない会話をするだけでした。
 
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いつもよく笑っていて
暗い表情は見たことがなかったし、
私に弱音を吐くこともありませんでした。
 
 
 
 
 
 
 
そしてその実習の途中、
患者さんは地元の病院への転院が決まりました。
 
 
 
 
 
 
 
受け持ち最後の日、
私は外まで見送ろうと思い、
家族と一緒に付いていきました。
 
 
 
 
 
患者さんは私に
 
 
 
 
 
 
「国家試験、頑張って!」
 
 
 
 
 
 
と言って手紙を握らせ、
笑顔で病院を出ていきました。
 
 
 
 
 
 
手紙をもらうような事は何もしていないし
日常生活になんの手助けも必要なかったのに
私みたいな学生にお手紙までくれるなんて、
あの人は優しい人なんだな…
 
 
 
 
 
 
そう思って開いた手紙。
 
 
 
 
 
 
 
 
ずっと実習をしてきていたにもかかわらず
なんとなくやり過ごしてきていたせいで
看護って結局どういうものなのか
よくわかっていなかったのですが
 
 
 
 
 
患者さんからの手紙を読んで、
看護の意味を知ることになります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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