専攻医になって5か月。

4月から専攻医になって、気づけば5か月。

研修医のころは、

「専攻医になったら、少しは仕事に慣れて楽になるのかな」

なんて思っていました。

実際になってみると、これは半分正解で、半分間違いでした。

楽になった部分は確実にあります。

でも一方で、

「研修医のころより、むしろしんどくない?」

と思う瞬間もかなりあります。

今回は、専攻医5か月目の時点で感じていることを書いてみます。


■しんどくなった①「自分で決める」場面が一気に増えた

研修医のころは、困ったら上級医に相談するのが基本でした。

もちろん専攻医になっても相談はします。

ただ、決定的に違うのが、

「まず君はどうしたいの?」

と聞かれること。

入院させるのか。

抗菌薬は何を使うのか。

点滴はどれくらい入れるのか。

明日退院させていいのか。

夜中に呼ばれた患者を今すぐ診に行くべきなのか。

研修医なら「先生どうしますか?」で済んでいた場面でも、専攻医になると自分の案を持って相談する必要があります。

これが地味に疲れます。


■しんどくなった② 電話が怖くなった

専攻医になると、病棟や救急、他科から電話がかかってくることが増えます。

しかも内容は、

「血圧が下がっています」

「尿が出ません」

「血糖が○○です」

「この患者さん入院できますか?」

など、だいたい何かが起きたとき。

つまりスマホが鳴るたびに、

「次は何が起きた?」

となるわけです。

研修医時代より知識は増えました。

でも同時に、自分の判断が患者さんの治療に直結する怖さも増えました。

これは専攻医になって初めて分かったしんどさでした。


■しんどくなった③「知らない」が許されにくくなる

研修医のころは、

「まだ研修医なので」

という言葉が、ある意味では最強でした。

専攻医になるとそうはいきません。

患者さんから見れば立派な「○○内科の先生」。

看護師さんや他科の先生からも、

その科の医者として質問されます。

もちろん分からないことなんて山ほどあります。

むしろ勉強すればするほど、

「自分、全然知らないな」

と思います。

でも、知らなくても何らかの方針を決めなければいけない

このプレッシャーは研修医時代より明らかに増えました。


■逆に楽になった①「何をすればいいか」が分かるようになった

一方で、圧倒的に楽になったこともあります。

研修医1年目のころは、

採血結果を見ても、

CTを見ても、

患者さんが熱を出しても、

「で、何をすればいいんだ?」

という状態でした。

今は完璧ではなくても、

「この検査を出そう」

「ここまでは経過を見ていい」

「これは上級医に早めに相談しよう」

という道筋がある程度見えます。

この違いはかなり大きいです。


■楽になった② 無駄に怒られることが減った

これも結構あります。

研修医時代は、病院独自のルールや暗黙の了解を知らず、

「それ先にやって」

「そこ連絡してないの?」

となることがありました。

数年働いていると、

病院という巨大組織の攻略法がなんとなく分かってきます。

誰に相談するか。

どのタイミングで連絡するか。

何を先に済ませるか。

医学知識以上に、これを覚えると仕事はかなり楽になります。


■楽になった③「医者をやっている感」は増えた

研修医時代は、どこかずっと学生の延長のような感覚がありました。

でも専攻医になると、自分の担当患者がいて、

治療方針を考えて、

家族に説明して、

退院まで診る。

うまくいったときには、

「ちゃんと医者として役に立てたかもしれない」

と思える瞬間があります。

大変ですが、これは結構うれしいです。


■結局、研修医と専攻医はどっちが大変?

僕の答えは、

「種類が違う」

です。

研修医は、

分からないことだらけのしんどさ。

専攻医は、

分かるようになったからこそ、責任を背負うしんどさ。

ただ、不思議なことに、研修医時代に戻りたいかと言われると、あまり戻りたいとは思いません。

少しずつですが、自分でできることが増えているからです。

専攻医になってまだ5か月。

おそらく数年後には、

「あのころはまだ楽だったな」

と言っているのかもしれません。

医学生や研修医のころには見えなかった、

「その次の医者の生活」

また何か月か経ったら、改めて振り返ってみようと思います。