忙しいとは言いたくないなと思っている。
自分のキャパが少ないことを自慢してどうするのかと思っていた
寝なきゃいいし、動くスピードを単純に早くすれば、なんとかなると思っていた

でも流石に限界もあって、このままでは確実にダメだと思った。自分は今100mを7秒台で走ろうとしている。履いている靴は体育館履きのままなのに、だ。

人が変わるタイミングはいつだろう、恋以外にないだろうと思ってきたけど、こういうタイミングもあるんだろうなと初めて思えた。
ダメな自分がようやく高すぎた階段を登れる時が来たんだと思う。

自分のダメなところを分かっていても、どこかでなんとかなる気がしていた。
今まで何とかなったから、この先も何とかなるだろうと思っていたんだと思う。災害の恐怖と同じ仕組みで。


今日はお世話になった芸大の構造の先生に協業のお願いをしに行って、すんなりと引き受けてくれた。

素敵で清潔なオフィスで、単純に良いなと思った。植栽越しにゆるやかに風が抜ける広尾のオフィスだった。
大切なことを思い出させてくれた。
僕らは、作家であるべきだということ。
僕はもっと自分の感性を大切にしなければいけない。
会社を考えればお金も必要だけど、まずは作家で、作る意味は作家としての意味でなくてはいけないよな、と思った。
妥協しないこと。他人の立場に立っていたいと思いすぎて、いつの間にか自分を見失っていた気がする。

そして3年計画を車の運転中に立てた。
3年の終わり方はまず、3年後の自分が今の自分を批判することを許すこと。
あの時は一番ダメだったと。
でも一番の修行期間で、今の糧になっていると言えること。

若かったからとか、未熟だったなぁみたいな回顧があまり好きではなかったけど、今回だけは許す。それが変わるということかなと思えた。

今は映画館をつくりつつ、通常業務としての設計作業もたくさんあり、雑務や、家のことや、色々やらなきゃいけないことがあるけれど、それらは全部2019年に終わらせたい。
30歳は一番辛かったけど、なんとか頑張れたのは自分が好きなことをしていたからだと、言えるように。