遅ればせながら、

新年明けましておめでとうございます🎍

気まぐれ娘です。


新年1発目に何を書くか、

今回は昨年から決めておりました。


というのも、作品を見に行く日時が、

秋から決まっていたからです。


どうしても新年1発目の記事を、

この作品の感想にしたくて、

今日までじっとしていました。




ミュージカル『エリザベート』


私は、博多の黄泉の国にいきました✌️


1996年の宝塚版の初演以来、絶大な人気により

日本のミュージカル界を引っ張ってきた作品。

2000年からは東宝版として、

帝国劇場を始め多くの劇場で上演され、

歴代のキャストには、

一路真輝さん、山口祐一郎さん、内野聖陽さん、

石丸幹二さん、瀬奈じゅんさん、城田優さん、

浦井健治さん、伊礼彼方さん、京本大我くんなど、

日本ミュージカル界を代表する、

そうそうたる方々がいらっしゃいます。

そして何よりも、花總まりさんの代表作であり、

ミュージカル界のプリンス・井上芳雄さんの

デビュー作でもあります。


今回どうしてもまりさんと芳雄さんで見たくて、

他のキャストさんとの組み合わせも考え、

チケットを取ってもらいました。


ちなみに見に行った日のキャストはこちら↓



まりさんと芳雄さんの他、

出来れば…と希望していたのが佐藤隆紀さん。

ゾフィー役はどのキャストも好きな中で、

涼風真世さんが1番好きなのですが、

4人とも出る日がなく。😅

人生そうは上手くいかないものです。笑

シュガーさんはイベントで何度か見ていたし、

ご本人と少しお話したこともあったのですが、

やっぱり1度フランツが見たかったのと、

ゾフィー役の香寿たつきさんの歌が

抜群に上手いことも知っていたので、

この日で希望しました。


知らない方のために概要を説明しますと、

実在したオーストリア皇后、

シシィことエリザベートの数奇に満ちた人生と、

ハプスブルク家の崩壊に至る過程を、

彼女にまとわりつく死を擬人化した存在、

黄泉の帝王トートを絡ませながら、

エリザベートを暗殺したルイジ・ルキーニを

狂言回しにして描いている作品です。


暗く重たい作品が多いミュージカルの中でも、

この作品は異色だと思います。

クラシカルで壮大な音楽の中に、

不協和音が入ってくる作品はほんとに無いので…

同じシルベスター・リーヴァイ氏の作曲した

ミュージカル作品でも、

『モーツァルト!』や『レディ・ベス』、

『マリー・アントワネット』などにない

独特の空気があると思います。

一言で言うなら、いい意味で不気味。

不気味なんだけどクセになる。笑

DVDで最初に見た時、その不気味さを

不思議に感じながらも、

ハマってしまいました。

そんな感じで、3年半くらい、

何十回と見たミュージカルだったので、

初めての生本番を本当に楽しみにしてました。



















凄い。本当に凄い。

今まで見たどの作品よりも綺麗でした。


本当は2020年に東宝版20周年記念として

上演される予定だったものが、

コロナ禍で全公演中止になってしまって、

満を持しての上演となった今回。

私も2020年公演があれば行くつもりだったので、

念願の生エリザベートでした。


DVDで見ていた演出からも

ちょっと変わっていたりして、

「ここをこういう風にやってるんだ」とか、

「ここメロディ変わってる!」とか、

新発見もあって面白かったです。


何より、セットにしても衣装にしても、

全てにおいて美しい!!!

細かいところまで凝った造りになっていて、

本物とはこういうものだなと思いました。


何より圧巻だったのは歌!!!

『レ・ミゼラブル』や『ミス・サイゴン』のように

全編歌なので、

セリフとして歌をずっと聞いているのですが、

迫力満点で耳が癒され続けてました。

そんな中で1番心震えたのは、

この作品の象徴とも言える「私だけに」。

ハプスブルク家に嫁いで間もないシシィが、

厳しい皇后教育を施す姑ゾフィーと

味方をしてくれない夫フランツを見て、

「私は私らしく生きる」と

決意をする時の歌です。

まりさんとシシィが一体化して、

魂からの叫びに聴こえました。

自由主義だったエリザベートにとって、

拘束されるような宮廷の暮らしって、

ものすごく肌に合わなかったんだと思うんです。

自分を殺して生きていかなきゃいけないなんて、

苦痛以外の何者でもありません。

強く生きようとする女性たちに、

すごく響く歌だと思います。


さて、またまたキャスト毎に

感想を言っていこうと思います。


まずはルドヴィカ/マダム・ヴォルフ役、

未来優希さん。

この方の歌は本当にパンチがあって、

めちゃくちゃ楽しみにしてました。

特にそれがわかるのは、

「マダム・ヴォルフのコレクション」。

低く響く歌声と、

色気のある衣装やメイクの影響で、

ものすごく魅力あるシーンです。

ルドヴィカとは全く違う雰囲気なので、

同じ方がやっている役とは

毎回信じられないです。笑

ちなみにルドヴィカが出るシーンで

1番好きなのは「計画通り」のシーン。

とにかく楽しいので笑笑

さんざん姉に花嫁修業させてたにもかかわらず、

フランツがシシィを選んでも、

「うちの娘には変わりない」と、

しめた顔で言うのが、

ずる賢いなと思いながらも好きです。笑

2幕にはルドヴィカは出ないので、

シシィが結婚した後はどんな様子だったのか、

気になるところです( ̄▽ ̄)


ルドルフ役、甲斐翔真さん。

思ってた以上に良かった!(失礼)

大変失礼ながら、本当に興味の外だったんです…

とはいえルドルフをされてた方には、

現在のトート役である芳雄さんを始め、

歴代そうそうたるメンツがいて、

若手の登竜門であるので、

実力はどうなのか…とは思ってました。

すごく響くいい声で、

「闇が広がる」が大迫力でした!

ルドルフは、国を憂う青年なのに

父フランツに認められず、

母エリザベートには見捨てられ、

絶望のあまり自殺してしまうという、

切なくて悲しい役です。

半分は少年期で子役が演じているので、

青年として本編に登場するのは

2幕の数十分しかなく、

そこで印象をつけなくてはいけないという、

大変な役でもあります。

そんな中で「闇が広がる」は

大変重要なナンバーなのですが、

本当に迫力あっていいシーンでした!

すごく低音が響くいい声でした…

機会があれば他にも見てみたいです。


ゾフィー役、香寿たつきさん。

私はこの方の歌が本当に大好きで…♥️

1番好きなのは『モーツァルト!』の

「星から降る金」。

何度聴いていることか。

この作品の楽曲は全て覚えているので、

「ゾフィーの死」が本当に楽しみでした。

厳しさの中に優しさが垣間見える、

素敵な歌声でした。

DVDでもよく見ていたのですが、

実際聞いてみると、

想像以上に声量があって、

凄まじいと思いました。

厳しく皇后教育を強いたゾフィー。

その真意は、シシィへの

優しさだったかもしれません。

ゾフィー役の御三方は、

特に実力者揃いですが、

香寿さんのゾフィーは、

芯の強さと高貴さが見える、

とてもかっこいいゾフィーでした。


フランツ・ヨーゼフ役、佐藤隆紀さん。

Le Velvetsが毎年なぜか(笑)、

地元のイベントに来てくださるので、

シュガーさんを初めて生で見たのは、

地元の市民館でした。笑

その時にはもうジャン・バルジャンを

やられていた時だったので、

ポスターを見つけてすぐに

チケットを買いに走ったのを覚えてます。

それと既にDVDでフランツを見ていたので、

初めてご本人を見た時は、

高貴な歌声とMCの面白さに、

ギャップでずっこけそうになりました。笑

今までフランツは、

しっかりせい!って言いたくなるなと

思っていたのですが、

実際生で見てみると、

「フランツも本当は、

結構若い時から自分を持ちたかったんだな」と

思うに至りました。

映像と違い、生芝居だと、

細かい仕草や表情までよく見えるので、

ふとした時に見える表情で

感じ方が変わりました。

それもあって、「夜のボート」が、

いつも聴く時以上に

切なく苦しくなりました。

柔らかな歌声と重なって、

とてもグッときたシーンでした。


ルイジ・ルキーニ役、上山竜治さん。

2年前から楽しみにしていた新ルキーニ!

私は前回までやってた育ルキーニが

だいっすきだったので、

育さんがトートに変わった今、

代われる人はいるだろうかと思いました。

でも、上山さんが発表されて、

そうきたか!!と。

歌のうまさはレミゼで分かっていたので、

単純に嬉しかったです( *´꒳`*)

上山ルキーニは、

とにかく「キッチュ」が楽しかった!!

完全にペースに巻き込まれてました。笑

あとはやっぱり「ミルク」だなー。

ルキーニの王道ですよね。

勢いがあって好きです。

今までのルキーニのなかでは、

尾上松也さんとか近い感じに思いました。

ちょっとクレイジーな感じかな。笑

今年秋発売のBlu-rayは、

上山ルキーニを選んでいるので、

うちに来るのが楽しみです( *´꒳`*)


そして黄泉の帝王トート役、井上芳雄さん。

どーーーしても見たかった。

ゆんさんも好きなんだけど、

今回は思いが強すぎました。

芳雄さんが出てくれたのが福岡で良かったです。

(他の会場だと単純に遠い笑笑)

何回も映像で見た芳雄トートだけど、

妖艶さが段違いでした…惚れました。

今回、トートはエコーがかかっていて、

黄泉の国の人達(=亡くなった人)も

エコーがかかっている演出でした。

芳雄さん、ただでさえ声が響くので、

エコーがわんわんなってました。笑

それでも聞き取りやすいのは何でかな〜笑笑

トートはシシィを愛し、

ことあるごとに彼女を

黄泉の国に連れていこうとする、

言わば死神のような存在。

これも結構演者によってイメージが違ってて、

例えば城田優さんとかだと、

まさに「帝王」で強い。

シシィも強引に連れていきそう笑笑

でも今回の芳雄さんは、

後半シシィへの愛が溢れすぎていて、

めっちゃ可愛かった笑笑

(あくまでも主観です)

私がトートの中で好きなのは、

「愛と死の輪舞」です。

優しさと深みのある曲だから。

この曲と、最後の「愛のテーマ」は

曲の入りが一緒なんです。

だから一貫性を感じるんです。

それと、最後の表情。

以前に芳雄さんが、ここのことを、

「無」と表現されていました。

生きているシシィに愛してもらいたかったのに、

死んでしまうから無になる、と。

私はそれに加えて、「怯え」というのも

あるような気がします。

愛するものを亡くした恐怖を、

トートはそこで知るんだと思う。

トートが欲しかったものが手に入らないので。

そう考えると、意外とトートは

純粋なのかもしれないと思いました。

今回、芳雄トートは映像に残らないので、

見れた幸せを噛み締めながら、

2016年のDVDを見まくろうと思います。笑


そして最後に、エリザベート役、花總まりさん。

国宝級に美しいシシィでした。

宝塚版の初演からは、

実に26年が経過しました。

なのに年々美しい。

この方はプリンセスをやらせたら、

日本一だと思います。

そのくらい優雅でした。

私がこの方のシシィで大好きなのは、

「私だけに」はもちろんですが、

「私が踊る時」です。

強く、気高いシシィのかっこよさが、

最も出ている曲だと思うからです。

最後にトートを見て、ふっと笑って

はけていく様がかっこよすぎて。

何回この曲聴いたか分かりません。

この曲を歌っている時の衣装も好きで、

全てにおいて好きすぎる1幕です。

最後の最後までトートを拒絶し続け、

最後に自由を得るために、

トートを自ら迎えに行くシシィ。

死すら翻弄する皇后の、

恐ろしくも美しい姿に、

目を奪われました。

カーテンコールのお辞儀すら優雅な、

そんなお花さんが大好きです。

集大成と言わず、

ずっとシシィで居続けて欲しいなと、

本当に思いました。


マクシミリアン公爵役の原慎一郎さんとか、

リヒテンシュタイン役の秋園美緒さんとか、

皆さんどこからがプリンシパルか

分からないくらい、本当にすごくて。

特に少年ルドルフ役の西田理人くん。

まだ子供なのに声量と安定感にビビりました。

あれは絶対ガブローシュが似合う…笑


ルドルフからトートになったゆんさん、

ルキーニからトートになった育さん、

ルドルフからフランツになった万里生さん、

この他にも、平方元基さんや涼風真世さんなど、

1度出演した方が、

違う役で再出演されることが多いこの作品。

多分役者さんにとっても指標なんだと思う。


だって他の作品にない独特さがあるんだもん。

仕方ないですよね。(何が)


ミュージカルが好きな人で、

この作品が嫌いな人は希少だと思います。


それもこれも、

この作品を日本に持ってきた、

演出の小池修一郎先生のおかげだと思います。


荘厳な世界の中に夢を見られる。


また見られることがあるならば、

全キャスト見てみたいです。


そのくらいできるように、

日々頑張ろうと思いました。