2018春の旅　宇治醍醐黄檗坂本（3/26～30）その４

３／２７（火）②
　興聖寺を辞し、宇治の散策に出ることにした。石垣の坂を下り、宇治川のほとりの路地を、車で来たとおりに歩いて戻る。さっき越えた赤い欄干の橋は、発電所からの放水口に架けられたものだった。宇治川そのものもだが、この放水もすごい水量で、落ちたらおぼれて死ぬかもな、と思うほどだ。

宇治川の流れは太く、発電所の放水も物凄い水量

　この水が川幅の広くなったところで両側に巻いているが、どうもそこに魚が群れているようで、黒ずんだ影が気になる。ずっと見ていたが、どうだろう、大きな鯉が２尾いるのは分かったが、鮒だろうか、それとも単に沈んだ落ち葉が水流に従って巻いているのか。

カモの上に黒ずんでいるところが見えるが魚の群れだろうか？こういうのが気になるのだ

このあたりまで来ると観光客はまばらになる

　「匠の館」はこの道に面した、観光客がたくさん歩いている地点にあった。

BSの番組で「利き茶」をやっていたのが、匠の館

　ドアを開けると、客がいない。あれ、終わっちゃったの？という感じを受けたが、さにあらず。あまり商売っ気がないところから、公営の施設なのかな、という印象である。

　利き茶をしたいと告げたところが、それは１０人以上でないと受けていない、という返事だ。きっとテレビ番組では、特別にやったのだろう。仕方がないので席に着き、メニューにある「玉露」と「かぶせ茶」をお願いすることにした。

職員のおねえさんが「玉露」の淹れ方を指南してくれる

　傍らには店の職員がついて、淹れ方をすべて指南してくれる。急須に５グラム入れた茶葉にひたひたになるくらいにお湯を静かに注ぐ。お湯の温度は一煎目は４０度、二煎目は５０度と徐々に上げていく。一煎目は特に、これがお茶かと思うような旨味成分のみの、まるでスープのようだ。

四煎まで出した茶葉を、今度は食べる

　なるほど、玉露とはこういうものか。その、来る前に見たテレビ番組で、体験した女性が、「何これー？！」と玉露を飲んだ時に発していた喚声の意味が分かった。かぶせ茶もほぼ同様だが、よく比べると、玉露の方が上品な感じを受ける。７０度の四煎目までいれると、まあ、これが煎茶の味だな、というほどになる。しかし、今度は茶葉を食べると来た。ポン酢が用意されているのはこの時のためだが、そのままでも食べられる。まるで青菜のようで、確かにこれを捨ててはもったいない。

玉露 - Wikipedia

ja.wikipedia.org

　しかし、こんな飲み方を、宇治の人たちは日常的にしているのだろうか。烏龍茶の工夫式も、台湾で教えてもらって実践に及んだが、台湾では確かにそのような方法で茶を飲む人たちはたくさんいた。

　ここで出している茶葉がいくらのものか、と聞いてみたら、おおよそ１００グラム￥２５００見当という。それくらい出せばいい水準の玉露が手に入るという寸法だ。昔ならそんなに高いのか、と思っただろうが、既に烏龍茶ならそれくらいは当たり前、という感覚になっているので、驚きもしなかった。

　中国で、結婚する時に、「飲む・打つ・買う」ならまだいいが、お茶にだけは手を出さないでくれ、という意味のお願いがあるというが、ここには恐ろしい深みが待っている、ということだろう。

　例のテレビ番組のことも聞いてみたが、皆さん、何となくよく知らない様子。多くの場合、テレビで放映されたとなれば、その場面を印刷でもして店頭に掲示したりするだろう。その意味で、ここは商売に熱心とはとても言えそうになかった。

果たして、営利を目的とした施設ではないらしい

匠の館 | 公益社団法人　京都府茶業会議所

www.ujicha.or.jp

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2018宇治４ 匠の館

2018宇治４匠の館