2008山陰1 生野銀山  | 楢丁(YOUTEI) 旅の話

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趣味で書きためた旅日記が、膨大な量になりました。2020秋に脳出血、2023には食道癌を発症と、様々なことが起こりますが、克服してまた旅に出たいという気持ちは変わりません。
お付き合い頂けたらありがたいです。どうぞよろしく。

2008山陰1

生野銀山

 

8/10(日)
 午前3時半、あたりはまだ真っ暗。しかし、お盆の猛烈な帰省渋滞を避けるには、どうしてもこのくらいの時刻に出発する必要があった。圏央、中央、名神、山陽の各高速道を経て北上し、山陰を目指す、というのがおおよその旅程。一昨年、兵庫の西端まで行った続き、というのが今回の旅の位置づけだ。加えて、そのとき連泊し、とても快適だった兵庫の「神鍋高原」に、一泊目のテン場をとろう、というところまでは具体的に決めている。後は行き当たりばったりの、いつものスタイル。一番ワクワクするのが車に乗り込んだこの瞬間だ。


 ガソリンを満タンにして圏央道入間ICへ。思った通り、八王子JCで中央道へスムースに入ることができた。この時刻にしてはクルマが多いが、渋滞回避に加え、深夜割引を狙う、ということくらいは誰もが思いつく。


 いつもなら寄っていく談合坂を、今回は素通りした。それどころか双葉、諏訪、駒ヶ岳と見送って、最初の休憩に恵那峡SAまで足を伸ばした。ここまでがおおよそ3時間と、きわめて順調。今日は長距離を走る、という意識が、なるべく早く西進したいという気持ちをかき立てたようだ。恵那峡SAは標高のせいか、さほどの暑さは感じない。ここで食券を買い、朝飯にした。


 車に戻る途中、「たまごまるごとプリン」という商品が目にとまる。見た目には普通の卵の2個パック、これにカラメルソースの小袋がついている。これがプリン?ちょっと珍しいね、と買ってみれば、何のことはない、殻を壊さずに白身と黄身を混ぜたゆで玉子じゃないか。どんな技術を使ったのかは分からないが、これで¥330取るか?これならまだ普通のゆで玉子の方がずっとまし、リピーターはゼロと断言できる。


 名神に入って事故渋滞、養老SAで大休止する。「章子は、眠れないのだけれど動けない」状態だったとメモにある。いずれにしろ睡眠不足なのは間違いなく、無理は禁物だ。


 俺は一寝入りした後、SAに設置されている「健康の道」を歩いた。最近よく見かけるこの施設は、足裏のツボを刺激するための、大小の小石が埋め込まれたサークル状の道だが、一歩踏み出した瞬間から脳天に響くような痛さが走る。意地で一周はしたが、地獄を味わった。きっと、体のどこかに悪いところがあるに違いない。


 ともかく、体調には万全を期して1時間半後に再スタート、兵庫の福崎ICを下りたのが13時、途中で寄った加西SAのコロッケは美味しかった。


 ここまで来てしまえば、あとはもう急ぐ必要はない。福崎ではたまたま途中にあった名刹、「神積寺」にお参りした。広い境内に重厚な本堂、静かないい寺だ。白壁の上の瓦に、小さなお地蔵さんが乗っている。

 

                          神積寺の屋根に乗るお地蔵様

 

 北にコマを進め、「生野銀山」へ。昨今、世界遺産に指定された「石見銀山」が話題だが、今回、そこまで到達できるかは微妙なところ。入場料の¥900は、JAF会員証提示で1割引となる。前に並んでいた夫婦の、おばちゃんの方が、あんた、あのカードどこだっけ、とバッグをかき回し、大騒ぎしていたので気がついた。これを利用しない手はない。

 

                             生野鉱山内部の様子
 

 坑道は外にも冷気が漂ってきていたが、入ってみるとひんやりどころではない。年間を通じて気温は13℃だそうだ。江戸期の手掘りの跡が残っているが、中には「狸掘」などという狭い坑道もところどころにあり、灯心の明かりを頼りに、人力で掘り進める苦労は並大抵のものではなかったと想像される。近代になるとダイナマイトで爆破、これを再現したシミュレーションの装置は迫力充分だった。


 さっき、ちらと覗いた資料館に戻って、今度は詳しく見て回る。坑道の全体像を示した模型が、まるでアリの巣を観察するようで面白かった。

 

                         坑道の模型


 

 

2008山陰2につづく