素敵なカップルと別れた後、我々は多くの長距離トラックが立ち寄ることで有名な白石のサンクスでヒッチハイクを再開した。
駐車場には何台ものトラックが停まっている。
これは楽勝だろうと高をくくっていた我々に、立ちふさがる現実。
トラックの運転手はだいたい怖い
なおかつ仮眠をとろうとしているドライバーが多く、睡眠を妨げる者は何人たりとも許さないという。
よって我々はサンクスで買い物を済ませて出てくるドライバーさんにだけしぼでて、おそるおそる声を掛けていくことにした。
しかし何人かのドライバーさんに(MAX低姿勢で)声を掛けたが、仙台にやって来た方ばかりであった。
仙台を出るトラックはこの時期非常に少ないそうだ。
ターゲットを道路を通るトラックに変更したが、状況は好転しない。
真夜中の仙台。吹き抜ける寒風。
一時間半以上が経過する。
サンクス前で凍死するという最悪のシナリオが頭をよぎる。
とその時、一台のトラックがサンクスに立ち寄った。
ナンバープレートを見るとそこには埼玉の文字が。
あちらに向かうトラックで間違いない。
狂喜乱舞する我々。
マニュアル通りサンクスから出てくるところを狙うため、
すぐにでも声を掛けたい気持ちを抑え、道路に向かってヒッチハイクをするフリをする我々。
サンクスに入店、そこから出てくるまで耐え、ここぞというタイミングで
意を決して声を掛けた。
我々の予想通り、やはりトラックは埼玉に向かうというのだが、シートに荷物があり、一人しか乗れないからと断られてしまった。
しかしこのチャンスを逃せば、仙台を脱出することはできない。
我々は「懇願」した。その詳細はこのスペースに書き綴ることはできないので割愛させて頂く。
そうして決死の懇願の末、何とか我々はトラックに載せて頂くことになった。
道中。
いかついトラックで、豪快に高速を走り始めた。
我々はドライバーさんのいかつい形相から、今後の型破りな暴走を想像し、覚悟したのだが、次々に我々の横を無数の軽自動車が追い抜いていく。
そう、彼は基本70kmで走るトラック界の模範ドライバーであったのだ。
車内は終始まったりムード。
二人の娘さんの話(ほとんど家に帰らない生活のため、抱き上げると他人のごとく泣かれてしまう。)やトラックあるある(助手席下の子窓に買い物カゴの小さいやつに入れたお風呂セットが置かれているトラックは超長距離トラック。それを見極め狙って行け。とのアドバイス)でひとしきり盛り上がった。
その後我々は寝たり起きたりを繰り返しながら東京方面へと近付いていった。
羽生インターで下ろして頂いたころにはもう空は明るかった。
そこで運転手さんとはお別れ。照れくさいからと、運転手さんは再び硬派に戻ったため一緒に写真を撮ることはできなかった。
↑我々。撮影者、ドライバーさん。
感謝の気持ちと高級ドライバ-手袋を渡すとすぐさま付けてくれた。
「ちょうどほしかったんだよ・・・すべるねこれ。」
高級感漂う逸品に満足してくれたようで、我々もうれしくなった。
最高の安全運転ありがとうございました、これからもお元気で。
去っていくトラックの大きな影は、なかなか小さくならなかったが、我々は見えなくなるまで見届けてから、改めてサービスエリアでヒッチハイクを再開した。
時は大ヒッチハイク時代。