前回は必須ミネラルについてお話ししましたので、今回はそのなかの主要ミネラルの一つ一つの栄養素について詳しく説明をしていきたいと思います。

 

 

◆カルシウム

カルシウムは、骨をつくる材料だけではありません。血液の凝固作用や筋肉の収縮作用、神経の興奮の抑制、血圧のコントロールなど重要な役割を持つミネラルです。体内のカルシウムは約1キログラムですが、その99%がリン酸カルシウムや炭酸カルシウムといった形で骨や歯の成分になっています。残りの1%が血液や体液、筋肉、神経などの組織の中にあります。

 

 

カルシウムが不足すると?

カルシウムが不足すると、動悸・息切れ、アレルギー、高血圧、骨粗しょう症、けいれん、イライラ、うつ症状などがあらわれます。血液中のカルシウムが不足すると、それを補うため骨からカルシウムが溶けだして、骨の中のカルシウム量がどんどん減っていきます。そうなると骨や歯がもろくなるだけではありません。

こうしたカルシウム不足は、血管を老化させ、動脈硬化や心臓病。脳卒中などの生活習慣病を招く原因になります。

 

 

 

◆リン

体内にあるおよそ8割のリンがリン酸カルシウムとして骨や歯に使われ、カルシウムとともに丈夫な骨や歯を作っています。残りの2割は、腎臓と心臓の働き、脳をはじめとする神経の伝達。ビタミンB群の吸収などの役割を担っています。リンは、リン酸・核酸の成分で、ビタミンB1・B2と結合して補酵素となったり、糖質代謝を円滑にしてくれる作用があります。

 

 

リンが不足すると?

リンが不足すると、歯茎から血が出たり、骨軟化症、骨粗しょう症、関節炎、だるさ、食欲不振、体重減少、筋力低下、集中力の低下などさまざまな症状があらわれます。リンとカルシウムの摂取割合は1対1が理想的です。リンが不足すると疲労感が出て、さらにビタミンのナイアシンは吸収されません。

一方リンをとり過ぎるとカルシウムから骨が溶けだして、血液中に放出されてしまいます。

 

 

 

◆マグネシウム

マグネシウムは、成人の体内に30グラムくらい存在し、その70%はリン酸マグネシウムとして、カルシウムとともに骨や歯に含まれています。それ以外は筋肉や脳、神経に存在し、特に筋肉にはカルシウムの3~5倍多く含まれています。骨粗しょう症の予防には、カルシウムとともにマグネシウムも一緒に摂取することが大切です。

 

マグネシウムが不足すると?

マグネシウムが不足すると、神経興奮やイライラ、胃弱、腎臓結石、手足のしびれ、ふるえ、けいれん、不整脈、心臓発作、首や背中に筋肉痛、歯の形成不全などの症状があらわれます。マグネシウムの体内での量はごくわずかですが、うまく摂取できないと途端に体のバランスが崩れてしまう必須ミネラルです。ストレスがたまると、マグネシウムが尿の中に排出され、不足の原因となります。

 

◆ナトリウム

ナトリウムは、成人体重の0.15%を占め、細胞外の体液に多く含まれる必須ミネラルです。人間の体が正常に働くために欠かせないナトリウムは飲食物の主に塩として摂取されます。ナトリウムの体内での働きは、カリウムと結合して神経伝達を行ったり、カルシウムなどのミネラルが血液中にスムーズに溶けるように手助けすることです。

 

ナトリウムが不足すると?

ナトリウムが不足すると、意識がもうろうとなったり、血圧低下、吐き気、頭痛、めまい、筋力低下、極度の疲労、日射病などになりやすく、食欲減退と精神不安をもたらします。しかしほとんどの人は食塩の摂取が多いため通常の食事をしていれば不足することはありません。むしろ過剰に摂取されることで、高血圧や動脈硬化といった生活習慣病の原因となります。

 

 

 

◆カリウム

カリウムは成人体重の約0.2%を占め、リン酸塩として、あるいはたんぱく質と結合して細胞内に含まれています。カリウムはナトリウムと作用し合いながら、細胞の浸透圧を維持したり、水分を保持したりする調整役として活躍します。カリウムの最大の働きは、腎臓におけるナトリウムの再吸収を抑制し、尿の中にナトリウムの排泄を促進して、血圧上昇を促すナトリウムを抑えることです。

 

カリウムが不足すると?

カリウムが不足すると、めまい、倦怠感、疲労感、神経過敏、食欲不振、吐き気、便秘、筋力低下、しびれ、筋肉痛、不整脈、関節炎、高血圧などの症状が起こりやすくなります。カリウムは熱に弱いため、不足しがちなミネラルです。調理の過程でゆでた場合30%ほど失われてしまいます。

さらにナトリウムとともに排泄されるので、血圧が高めで食塩を節制したい人はカリウムを積極的の摂るようにしましょう。

 

 

◆塩素

塩素は胃液の塩酸生成を行うミネラルで、成人体重の0.15%を占めています。塩素は胃酸の成分となるほか、肝臓の働きを助けて体の中の老廃物をスムーズに取り除きます。

 

塩素が不足すると?

毎日の塩の摂取量が通常の状態にあれば、塩素は十分とれているため、特に推奨量が定められていません。ただし下痢をしたときや大量に汗をかいた場合には、塩素が不足して低塩素血症になることがあります。

 

 

 

◆硫黄

硫黄は含硫アミノ酸としてタンパク質の中に含まれ、健康な毛髪や皮膚、爪を作るために重要な成分となります。軟骨・骨・腱をつくる成分にも含まれます。ビタミンB1やパントテン酸と結合して補酵素となり、糖質や脂質の代謝をよくします。そのほかにも有害なミネラルが体内に蓄積されるのを防ぐ解毒作用があります。

 

硫黄が不足すると?

硫黄が不足すると、皮膚炎を起こしたり、シミができることがあります。また爪がもろくなったり、髪の毛が抜けるのも硫黄が不足するためです。

 

 

 

まとめ

ミネラルの中でも特に過剰摂取による弊害あるものと、上限を設けていないミネラルがあります。たとえば、ナトリウムは摂り過ぎれば、高血圧や動脈硬化の原因になるそうです。

またリンが過剰に摂取されると副甲状腺機能亢進や骨代謝障害の不安が出てきます。リンは加工食品や冷凍食品の添加物としてよく使われており、コンビニ弁当、外食、冷凍食品をよく使う人は注意しなければなりません。

 

ミネラルは、人の体の中で合成できないので食品からしか摂ることができません。欠乏症になるとさまざまな症状を引き起こし、過剰摂取になると生活習慣病になるなど、その摂取方法のポイントは「バランス」です。

バランスのよい食生活を心がけて、ミネラルで積極的な健康づくりをしましょう。