朝日新聞から
 
 
新宿歌舞伎町俳句一家屍派 を束ねる37歳
第一句集「天使の涎」(邑書林)からの 紹介が有り 記し置く
 
 
 
猫交る花園神社に向き尿る        交/さか  尿/とば
 
熱燗のコップを握つたまま眠る      熱燗/あつかん
 
風俗店を貫くエレベーターの寒
 
暖房のランパブに色氾濫す        氾濫/はんらん
 
冬帽子目深に無人契約機
 
神座で済ますアフター春の雨        神座/かみくら
 
石鹸玉弾け全身ベルサーチ        石鹸玉/しゃぼんだま
 
摩羅の重さが命の重さ雪に尿       魔羅/まら    尿/しと
 
酒を飲むだけの弔ひ鳥帰る
 
喉が痛い頭が痛い今会いたい
 
足下に猫をしまって雪見上ぐ