あるきだす言葉たち から
 
 
やまね・まや  1967年京都府生まれ   「鶴」同人
句集 「折紙」
 
 
 
秋惜しむ
 
 
 
ここも女子会そこも女子会鷹の爪
 
秋燕やいつも大売出しの店          秋燕/しゅうえん
 
ぬばたまの夢に猫抱く無月かな
 
アルパカは駱駝の仲間雲の秋
 
美術館別館までの(バッタ)かな        バッタの字見つけられず/申し訳なし 
 
秋の夜のペットショップの客笑ふ
 
七曜の最後は土曜芒原
 
八雲忌の夜間暗黒星雲も
 
人待てばあきのあめふるたかきより
 
星月夜灯は海岸を点綴し            点綴/てんてい
 
虫時雨わが自転車の残るのみ
 
秋祭痛しはちまき締めすぎて
 
野の色にタータンチェックまぎれけり
 
共振の二本の銀杏黄葉かな
 
味噌醤油味醂減らして秋惜しむ