訪問鍼灸というしごとは、病院や、治療院に一人では行くことが困難な方のお住まいにお伺いして鍼灸施術をさせていただくしごとです。

 

80代、90代の高齢者もいらっしゃるのですが、今回特に記述したいことは、

 

「一人暮らしの高齢者」

 

についてです。

 

 

80代、とめさん(仮名)。昨年旦那様他界。

 

週に一回訪問鍼灸をさせていただいたのですが、正直鍼灸だけでは完治は難しい症状の方でした。

 

もっというと現代医学では難しいと言っても過言ではないと思います

 

股関節に問題があり、手術が必要でしたが、年齢、体力的にも手術をしてその後の生活と手術をしない生活、どちらがご本人にとって良いかは誰にもわからないと思います。

 

 

結果的には訪問鍼灸の施術を途中で中断してしまったのですが

 

 

今日はそのことを伝えたいわけではなく、

 

 

その一人暮らし、80代女性の彼女と、今、私の傍にいてくれる4歳の娘をオーバーラップしてしまう自分がいる事を言いたいです

 

 

娘にもきっと来るであろう80代を想像すると、施術中だけは他人事にはなれません。

 

 

きれいごとでかたずける事は決してできず、

 

もし、愛する、いや、初めて愛を教えてくれた、今、傍にいてくれる娘が、もし、独り孤独になったとしても僕のような、心のつながりは皆無だとしても、仕事、この金銭的なつながりだけだとしても、一瞬でも孤独の冷たさを温められますように。

 

 

と考えながらお灸をすえるのです。

 

 

 

考えすぎかもしれませんが、どうしようもない僕(どうしようもない自分は過去の自分で今の自分はかっこいいよといわなければいけません。)の傍に生まれてくれた彼女にはできるだけできるだけ短い時間の孤独で人生を楽しんで欲しいです。

 

 

 

因果応報を信じてしまう臆病な父はあからさまな善行をしてしまいます。

 

世界で一番楽しい人生を送ってください。