ユルクカタル

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映画作品を中心にゆるくかたっていきます。
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【クロニクル】

 

【クロニクル】は2012年公開の映画作品。監督は、ジョシュ・トランク。本作が映画監督デビュー作である。主演は、【キル・ユア・ダーリン】、日本では2018年3月30日に公開される【ヴァレリアン 千の惑星の救世主】でも主演を務めるデイン・デハーン。

 

 

暴力的な父と病気の母と暮らすアンドリューは、自分の生活をカメラに収めネットに投稿することがひそかな楽しみだった。あるひアンドリューは、幼馴染のマット、気さくな優等生のスティーブとともに、偶然見つけた謎の穴に入り、そこで青く光る隕石に触れた三人は超能力に目覚める。超能力での遊びにのめりこんでいく三人だが、アンドリューはより強い力を手にし次第に暴走していく。

 

 

「若者が、ひょんなことから超能力に目覚める」という作品を誰もが一度は目にしたことがあるだろう。

そして、そういった作品のほとんどは、超能力に目覚めた彼らの前に、宇宙人や恐ろしい悪役が立ちはだかり、立ち向かっていくストーリーだ。

 

しかし、【クロニクル】はそういった作品とはかなり異なった展開で話が進む。

 

アンドリュー、マット、スティーブは超能力を手に入れていれてから、その能力で遊ぶ、ふざける。駐車場で人の車を移動させるような悪質ないたずらまでおこなう。それも、とても楽しそうに。

また、物語はアンドリューのまわすカメラの映像を交えながら進行していく。

超能力という非現実なものを映しながらも、彼らの行動の若者らしい無邪気さと危うさがよりリアルに表現されていると思う。

気弱なアンドリュー、不愛想に見えて実は優しいマット、優等生なのにお気楽である意味バカなスティーブ、魅力的な3人のキャラクターは本当に実在感を感じられる。

「こういうやついうよな」「確かに超能力をえたらこんな風に使ってしまうのかもしれないな」

と、とても納得できる描写だった。

 

はじめは男が三人集まってバカをやっているだけだが、次第に不穏な空気が立ちこめる。

超能力を使った後に鼻血を出したり、アンドリューが次第に暴走したり。超能力を身に着けたことがきっかけで仲を深めていった3人は超能力により次第に引き裂かれていくのだ。

ほっこりとするシーンを見せられた後にそれがだんだんと壊れていく様は胸に響くものがある。

 

終盤にかけて、アンドリューの暴走度合いはどんどんエスカレートしていく。デイン・デハーンの暴走演技を見ることができるのだ。

【アメイジングスパイダーマン2】でのデイン・デハーンが好きだった人は、きっと楽しめるシーンだと思う。私自身、「デイン感」を存分に感じられて大満足だった。

 

 

SFものだが、登場人物のドラマにかなりのウェイトをおいて作られた作品の本作。

83分という時間にしてはかなりタイトな作品ながらも、濃密な内容。アンドリューのカメラ映像により話はテンポよく進むので、SF的な超能力描写も派手さはないが退屈することなく楽しむことができると思う。

デハーンファン、SFファンはもちろんのこと、エンタメ作品、ドラマ作品としてもよくできていると思うので、普段はあまりこういった作品を見ないという人にもおすすめです!

 

 

【クロニクル】・・・・・・・・・・・・・・・☆☆☆☆