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結@妄想藍屋のブログ

思いつくままに妄想ストーリーおよびイラストを書いています
艶が〜るのみ書いてますね今のところwww

推しは藍屋秋斉さんです♡♡♡
愛しすぎる……♡♡♡

帝御座す京の都

その京には、日々切磋琢磨する男達を癒す花街がある

夜には艶めいた光と声とともに、三味線等の音であふれる町も

お天道様のぼる昼間は、ひっそりと形を潜める

 

そんな花街にある置屋に、凛とした明るい声が通る

 

「秋斉、いるかい?」

 

置屋の楼主・藍屋秋斉はその整った顔をあからさまにしかめ、

文机より顔をあげた

 

「ここはわての住んどる所。おるのは当たり前やろ……むしろ、あんさんが場違いや」

 

彼の辛辣な言葉にも、けっして動じず悪戯好きな童のような笑みを携え

まぁ、まぁ、と部屋の中に入ってくる

この男、名を一橋慶喜と申す

 

「今日はまた一段と締まりのない顔で……用件ならさっさと……」

「ねぇ、えらく楽しい事してるらしいじゃない」

 

やや言葉を被せ気味に、慶喜は秋斉に直球を投げた

一瞬目を丸くして、すぐいつものように飄々とした顔つきに戻る

 

「相変わらず、地獄耳で。どこの壁に耳つけてはるん?」

「そんなことはいいからさ〜。何で教えてくれなかったんだい?」

「あんさんだけやあらへん。先もって知ると、自分がもらえるように仕向けようとしはる方が

どうも、この置屋の顧客に多くてな……」

「わ〜耳痛いな〜」

「ひきちぎったろか……」

 

傍から聞けば「仲が悪いのか?」とも取れる会話だが

この二人の間には、むしろ温かい日だまりのような空気がある

 

「せやけど……」

「うん?」

「ここの主である結はんがなぁ、途中体調崩したりなんやで、自分自身があまり参加出来てへんらしいてな……」

「まぁ……体調は仕方ない気もするんだけど……」

「せやからお詫びと感謝も込めて、最終の“ほわいとでぃ”には、何か返したいと」

「相変わらず自分を追い込みたがるよね、結は」

「まぁ、あちらの言葉でいう『どえむ』らしいからなぁ」

 

ずずず……、愛用の湯のみからお茶をすする

 

「ほんで、なんがいいか?ってわてに聞いてきはって……」

「また、前みたいに太夫衣装きてもらったら?鬼太夫、なかなか好評だったんだろ?」

「予想以上に」

「あれ?そういや、アレ色付けするって言ってたような……どうなったんだっけ?」

「羽織の色と柄が決まらんで、そこだけ真っ白らしいわ」

「わ〜、まだ待たされるわけだ……」

 

慶喜はおおげさに呆れたように諸手をあげる仕草をしたが

後ろから恐ろしい殺気を感じ、慌てて背筋を伸ばした

 

「ほんで、誰かはんのせいで忙しいゆうてんのに、案を練らされて、練らされて……」

 

(秋斉……眉間の皺が土方くんばりだよ……苦笑)

 

 

「この企画に一番多く採用された人、および一番少なかった人に男娼として

置屋で働いてもらおうかと」

 

「……………………………はぁぁぁ?!」

 

「太夫の格好ももう見飽きたやろ?それに髭生やした方やらもいてはるさかい

女の格好より、ここは男娼の服装にしてもろて……」

 

「いや、待って、待ってよ秋斉!一番多い人はわかるとして、一番少ない人も?」

「こういういつもと違う服装を見て、新たな魅力を視聴者に伝える絶好の機会やからや」

(……視聴者って何ですか〜……?!)

 

「まぁ、結はんの作業効率を考えて、おいどは叩きまくるとして

 皆はんにお披露目できるんは端午の節句かもしれんが……

 ちょうど、尾張の方での催事もあるさかいなぁ……」

 

「秋斉、もう言葉が京言葉でなく、大阪の商人のようだよ……」

「そういえば……、あんさん何回名前あげてもろとった?」

 

置屋に来た時とは一転、慶喜の表情が青ざめる

 

「ふふふ……おきばりやす……」

 

楼主の企む?目論んだ?提案に、予想通り慶喜は顔を強ばらせるのであった