こんばんは
かなり久々の「読書メモ」です〜📚
今回はこちらの本です
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東大准教授の斎藤幸平さんの2021年新書大賞受賞作。
どういう内容かというと、一言で言えば「どうやったら気候変動を止められるか?」です図書館で予約したら人気すぎて1年以上待ったという💦
気候変動の影響が年々強まる中、このままで大丈夫なのかな?って不安に感じる人も増えているはず
なんだかんだ技術革新で何とかなるんじゃないの?
宇宙開発でやっていけるんじゃない?
人間死ぬ時は死ぬから、今楽しければいい。
スピリチュアルを信じてるから自分は助かる。
いろんな意見や信条があると思うけど、こんな風に考えていられる間はまだまだ平和だなって思う
私はこの本を読んでさらに危機感が強くなりました
詳しくは本を読んでいただきたいのですが(斎藤幸平さんの著書の中ではかなり易しいです)、ここでは個人的に気になったところだけ、感想を書いていきます
※耳の痛い話をしますが、誰を責めているわけでもありません。また私は特定の思想や宗派を支持しているわけでもありません。ご了承ください。
気候変動はもうここまできている
私が子供の頃から地球温暖化は問題になっていたけれど、事態は悪化し続けていることをご存知でしょうか?
危機は複合的に深まっていくのだ。そして、「時限爆弾」に点火してしまえば、ドミノ倒しのように、危機は連鎖反応を引き起こす。それはもはや人間の手には負えないものだ。
だから、この破局を避けるために、2100年までの平均気温の上昇を産業革命前の気温と比較して1.5℃未満に抑え込むことを科学者たちは求めている。
で、今どれだけ地球の平均気温が上がっているかというと、恐ろしいことに既に
1℃上昇しています
このグラフを見たら、さらに背筋が凍りました
全部同じような急カーブじゃん
これはグレートアクセラレーションとか、大加速時代と言われています。
このままでは、2030年には科学者が警告する1.5度を超える可能性があります。
それにも関わらず、私たちはこの事態にあまり関心を持っていません。
それは私たちにとって都合が悪い真実でもあるからです
日本人が地球温暖化に加担している
地球温暖化の原因の半分は、富裕層トップ10%のせいだと言われています。
もちろんその中でもトップ0.1%のプライベートジェットを持っているような大富豪が、地球に一番深刻な負荷を与えていることは言うまでもありません。
今の私たちの生活はこれが当たり前のように感じているけれど、世界から見ればものすごく豊かなのです。
そして私たちの生活は、貧困層であるグローバル・サウス(途上国)からの労働力、資源を奪うことによって成り立っています。
私たちは地球が平和であって欲しい、温暖化を止めたいと願いながら、温暖化に一番加担しているという矛盾
こんなの誰も知りたくないでしょう
でも私たちはいつだって、好きなものを好きなだけ食べたいし、ワンシーズンで服を入れ替えたいし、海外にも行きたいし、ブランド品をたくさん手に入れたいと思っている。
環境負荷をグローバル・サウスに押しつける「外部化社会」、すなわち先進国において私たちは、不公正さに目をつぶり、地球で本当は何が起こっているのかも知ろうともせずに、資本主義の夢を見続けてきた。
儲け続けなければ存続できない資本主義では、希少性を人工的に生み出し、あらゆるものを商品化してきました⛰️🚰
そうした商品をもつことが富であるという価値観の中で、グローバル・サウスの問題はひた隠しにされ、自分さえよければいい、お金さえ払えば何をしてもいい、そんな傲慢な人間が量産されていきました
しかし気候変動の影響は先進国にも広がり始め、いよいよ看過できない状態になりつつある、というのが現在地ですコロナも異常気象も熊も
技術革新で何とかなるんじゃないの?
私も正直これを期待していました。
だってSDGsも盛んになっているし、電気自動車も自然エネルギーも増えているし、廃油で飛行機を飛ばせる技術も出てきたし、二酸化炭素を酸素に変える機械も開発されている🏭
これらはいわゆる「グリーン・ニューディール」と呼ばれますが、結論から言えば【デカップリング】はできないと著者は言います
デカップリングとは、一定の経済成長や便利さを維持しつつ、リサイクルや省エネによってエネルギー消費を減らしていくことで、気候変動の目標を達成できるというものです
電気自動車やソーラーパネルは、必要な資源の採掘のために自然を破壊してしまうというジレンマを抱え、TVは省エネになればなるほど大型化し、今はAIを活用するために電力がたくさん必要になっています。
エネルギーを削減できているようで、逆に増え続けているのが現状なのです。
先進国はこれまでも経済発展と環境問題を両立させてきたし、これからも両立できるように見える。だが、第一章でも見たように、その背後では、さまざまな問題がグローバル・サウスに転嫁され、不可視化されてきただけだった。だから、先進国と同じ方法で経済と環境の両立をグローバル・サウスでやろうとしても、うまくいくはずがない。もはや転嫁するところがどこにもないからである。現代の気候危機は、そのような外部化社会の究極的限界を端的に表している。
「緑の経済成長」を目指すグリーン・ニューディールは、結局グローバル・サウスからの収奪と転嫁にすぎず、資本主義という根本原因を必死に維持しようとしています
こういった見せかけだけの対策に安心して、人々が危機について真剣に考えることをやめてしまえば、その時間稼ぎが地球環境にとっては致命傷となります
それなりに経済成長もしながら、地球環境も守られるという道はもはやありえないという所まで来ているのです
じゃあどうすればええんや?
次回へつづきます。