今回はモイスチャライザー効果を持つ保湿剤の1つ「ヘパリン類似物質」を紹介します。

 

ヘパリン類似物質は、「ヘパリン」に類似した構造や機能を持つ化合物の総称です。ヘパリンは肝臓で作られる糖類の一種であり、主に血液が固まるのを防ぐ目的で利用されています。

 

では、ヘパリン類似物質を含む保湿剤がどのように保湿効果を発揮するのか説明します!

  1. 水分保持能力: ヘパリン類似物質は水分子を引き寄せる作用を持っていて、皮膚に水分を供給する働きがあるためです。保湿効果を強化し、肌が潤いを保つのを助けてくれます。

  2. 表皮のバリア強化: 健康な肌の場合、角質層がバリアの役割を果たしていて、肌の内側からの水分の蒸発や、外からの刺激を防いでいます。しかし、角質層は紫外線や乾燥などが原因で傷ついたりはがれたりしやすく、そうなると肌の潤いも逃げてしまいます。そうした肌にヘパリン類似物質を継続して使用すると、角質層の天然保湿因子が増え、傷ついた皮膚を修復してくれます。つまり皮膚の正常なバリア機能を取り戻すように促してくれるのです。

  3. 炎症の軽減: ヘパリン自体が抗炎症作用を有するため、ヘパリン類似物質を含むクリームが炎症を軽減する可能性があります。炎症が軽減されることで、肌の状態が改善しやすくなります。

  4. 血行促進: 一部のヘパリン類似物質は血行を促進する効果があります。血行が良くなると、皮膚細胞に酸素や栄養素が供給され、健康な肌の状態を維持するのを助けてくれます。皮膚の新陳代謝を促進してくれるので、傷あとや火傷のあとの治療にも使われることがあります。

これらの効果により、ヘパリン類似物質を含むクリームは保湿効果を高め、肌の潤いを保ち、健やかな肌の維持が期待されます。

 

市販のものだと、「ヒルマイルド」や「ヒルメナイド」などがドラッグストアに置いてありますよ!

 

ただし、血液が固まりにくい作用があるので、出血性の血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病など)のある人や、わずかな出血でも重大な結果をきたすことが予想される人を持っている方は、医師や薬剤師に事前に申し出て相談するようにしましょう。