緋鷹由理 

緋鷹由理 

たぬこと熊太の徒然日記を主に掲載しています。


地震や津波などの表現や言葉が入っています。

この小説は、近未来を想像して書いた、フィクションです。
地震や災害などの経験や地方の言葉や地形に知識のないものが書いています。
気になる点や、地方の言葉、適切な言い回し、地形に不自然な点などありましたらコメントください。
また、自然や科学の知識なども乏しいのですが、適切なアドバイスがあるとありがたいです。
どうぞよろしくお願い致します。



 僕はもう一度、地磁気とポールシフトについて調べてみる。

 まずナビゲーションシステムと言う物を調べて見よう。

 あの後お爺ちゃんにナビというのを教えてもらった。

 なぜ地図の上を走っているように見えるのか、どうやって自分の車の位置を知ることが出来るのか、お爺ちゃんの話では人工衛星の信号をキャッチして自車位置を地図に写し、地図マッチングとジャイロスコープで、走った距離や動いた方向を計算して地図の上を走っているように見せるらしい。

 お爺ちゃんの説明を聞いたときは、なるほどと思ったのだが、自分で車を動かしたことが無いので、いまひとつぴんと来ない。

GPSとナビゲーション

 まずカーナビゲーションシステムを調べてみよう。

 GPSという人工衛星の信号を受信して、自車位置、船に例えると、自分の船の位置を知ることが出来る。

車では道路の上を走るので、道路の地図と一致させるマップマッチングがあるが、船にはマッチングする地図が無いので、修正するとしたら、ジャイロスコープで補正するという事になる。

 ただ、船の場合は、AISという物もあって、こちらは船専用で、地上の基地局から電波を出している。

 その通信では、自分の船の位置や他の船の位置を知らせてくるため、どこにどんな船があるのか把握できる装置である。

 かつて海を多数の船が行き来していたころの、繁栄のシンボル的な物だ。

 しかし、今では、陸上からの電波が出ているかもわからない。

 おじさんの船の地図が正しければ、僕達は今かつてのベーリング海にいることになる。

 

〔つづく〕

 

登場人物

 

山中 尊 (たける)主人公。月光からはケルと呼ばれている 

山中 命  (みこと) 尊と双子の弟、

山中 日光 (ひかり) 尊や命の従妹。月光の双子の姉

山中 月光 (あかり) 尊を追いかける妹のような存在。

山中 岳  (がく)  尊の祖父

山中 景  (けい)  日光と月光の父。海上保安庁の船乗り

次の日、職場で、昨日見たシロイルカを調べてみた。

シロイルカは、北極海と北極海周辺に生息する哺乳類と書かれていた。

えっ北極?そんなに水温が下がっているとは思わなかった。

北極…なにかが引っ掛かった。

昨日見た光景、シロイルカ…動く地図、ベーリング海。

もし、もしもだけど、あの地図が本当の位置を指していて、動いているのが大地や海のほうだとしたら。

むかし、むかし、外国にガリレオという人が、大地が回っているという地動説をとなえて、投獄された。

僕も同じことを言っているのか?

いやいや、地球が回っていることは小学生でも知っている。

だが僕の言っている地動説は、北極と南極をつなぐ地軸が動いているという事なのだ。

北極のズレは以前から各業界で指摘されていて、特に北極近辺を通る船や飛行機は影響を受けやすいため、その動向が注視されてきたらしいが、過去の地球は北極と南極が入れ替わるボールシフトや、完全に入れ替わることなく元に戻るエクスカーションを幾度も起こしている。

 

〔つづく〕

 

登場人物

 

山中 尊 (たける)主人公。月光からはケルと呼ばれている 

山中 命  (みこと) 尊と双子の弟、

山中 日光 (ひかり) 尊や命の従妹。月光の双子の姉

山中 月光 (あかり) 尊を追いかける妹のような存在。

山中 岳  (がく)  尊の祖父

山中 景  (けい)  日光と月光の父。海上保安庁の船乗り

「初心者もいるし月光もいいよね。」

「うん、日光ちゃんが、良いて言うのなら、良い」

日光が僕たちを見た。

僕も命も「うんうん」と、首を縦に振った。

初心者には、これで充分。僕たちは着替えて、暖房の前に座った。

「シロイルカが尊に突っ込んでいった時は、びっくりしたね」

「あの子は(シロイルカ)よくなついているんだけど、なんで尊にだけ突っ込んでいったのかな」

「初心者っていうのがわかるのかも」

でも命には日光達と同じように接していたな。

と思い出し、あとで命に尋ねてみたら、命は日光と潜っていたようだ。

僕にも声をかけたが、「いかない」と言ったらしい。

初心者は僕だけだった。

だから今回は月光が誘いに来たのだと言う。

月光に謝らなければいけない。

 

〔つづく〕

 

登場人物

 

山中 尊 (たける)主人公。月光からはケルと呼ばれている 

山中 命  (みこと) 尊と双子の弟、

山中 日光 (ひかり) 尊や命の従妹。月光の双子の姉

山中 月光 (あかり) 尊を追いかける妹のような存在。

山中 岳  (がく)  尊の祖父

山中 景  (けい)  日光と月光の父。海上保安庁の船乗り

次の瞬間、月光が僕の盾になり、日光がシロイルカを押さえてなだめるように抱きかかえていた。

月光はその様子を見ると、僕の手を引いて水面に向かった。

しばらくして、日光が上がってきた。

月光が船のほうに泳ぎ始めたので、僕達も続いた。

まもなくして船に上がった。

「冷えたわね」

「尊、大丈夫だった?」

「驚いたでしょう、シロイルカは穏やかな性格で私達にはなついているんだけど、なんで尊に向かっていったのかしら」

「そうなの?」

と僕は驚いた。

「日光、少し遅かったな、冷えただろう」

とおじさんが声をかけた

「うん」

「もう一度潜るか?」

「シロイルカと遊んでいたんだけど、イルカが尊に突っ込んでいって、危なかった。」

日光は興奮しているようだった。

 

〔つづく〕

 

登場人物

 

山中 尊 (たける)主人公。月光からはケルと呼ばれている 

山中 命  (みこと) 尊と双子の弟、

山中 日光 (ひかり) 尊や命の従妹。月光の双子の姉

山中 月光 (あかり) 尊を追いかける妹のような存在。

山中 岳  (がく)  尊の祖父

山中 景  (けい)  日光と月光の父。海上保安庁の船乗り

少し深く潜るとずいぶん暗くなるが、月光と日光はヘッドライトで照らした。

そうするとだいぶ周りが見やすくなる。

二人の後をついて行きながら、遠くに魚の群れらしいものが見えた。

日光と月光も気が付いたようで、上に上がっていく。

明るいところにでた。

よく見るとシロイルカなのか?

月光が近づくと、シロイルカも月光に近づいてきた。

日光もシロイルカに近づいた。

それにしても大きい。ふつうのイルカの2倍はある。

二人はこのシロイルカと仲良しのようだ。

二人がシロイルカと遊んでいるので、僕も近づいた。

シロイルカと目が合ったと思ったとたんに、シロイルカが僕のほうに突っ込んできた。

「えっ!」

僕はとっさに避けた。

するとイルカはUターンして今度は突進してきた。

慌ててのけぞりながら避けたが危うくシロイルカの巨体に弾き飛ばされそうになる。

明らかに僕に関心があるらしい。いや、どう見ても僕を敵対視している。なぜ?

 

〔つづく〕

 

登場人物

 

山中 尊 (たける)主人公。月光からはケルと呼ばれている 

山中 命  (みこと) 尊と双子の弟、

山中 日光 (ひかり) 尊や命の従妹。月光の双子の姉

山中 月光 (あかり) 尊を追いかける妹のような存在。

山中 岳  (がく)  尊の祖父

山中 景  (けい)  日光と月光の父。海上保安庁の船乗り

「……尊、そろそろ着替えてこい、すぐに着くぞ」

と言われて、着替えに行った。

月光が僕のウエットスーツを用意してくれていた。

しばらくすると、

「この辺でいいかな」

と言っておじさんがエンジンを切った。

日光と月光が酸素ボンベを背負って待機していた。

「これでいいかな」

と、もごもごした声で命が出てきた。

「命、ボンベ付けるの?」

「尊のもあるよ」

と月光が指さした。

僕も背負うの?と思いながらぐずぐずしていると、月光が来て、手伝ってくれた。

みんなで、順番に潜った。

始めは呼吸が上手く出来なかったけど、だんだん慣れてきた。

昆布らしいものがゆらゆらしている。

魚が見られた。

まだまだ少ない海藻だけど、はじめて見る光景に、ワクワクした。

月光が潜りたがる気持ちもわかるような気がした。

そういえばあまり体が冷えない。月光の言う通り、少し厚めのインナーを着て、もう一枚着ると、少しきついと感じたけど、潜ると丁度良くなった。

これなら潜るのも嫌じゃない。

 

〔つづく〕

 

登場人物

 

山中 尊 (たける)主人公。月光からはケルと呼ばれている 

山中 命  (みこと) 尊と双子の弟、

山中 日光 (ひかり) 尊や命の従妹。月光の双子の姉

山中 月光 (あかり) 尊を追いかける妹のような存在。

山中 岳  (がく)  尊の祖父

山中 景  (けい)  日光と月光の父。海上保安庁の船乗り

「うん壊れているけどね」

とおじさんが言った。

「私も車にナビ付けて走っていたよ」

「へえ、車にもついていたの?」

「ああ、昔は高性能で、便利だったよ。

日本中地図を見ながら走れたから」

「じゃあ電波が入ればこれも正常に動くのかな」

「このナビのジャイロってどこにあるの?」

「知らんが、船の底じゃないのか」

「見える所にはないんだ」

「方位磁針のほうがまだ役に立つよ」

とおじさんが胸ポケットから丸いものを出した。

「これ、親父からもらったやつ、いつも持っているよ」

と爺ちゃんに話しかけた。

「そうだったなお前が海保に入って、嬉しかったよ」

「訓練は厳しかったけど、色々なことがあったな」

船は走り出していた。

すると、モニターに映っている地図が少し動いた。

「おじさん、この地図動いているよ」

「そうかぁ?」

「船が動くと、地図も動くよ、面白いね」

「ジャイロは生きているのかもしれないな」

「尊はこういうのが好きなのか」

と爺ちゃんが言った。

「いや好きとか嫌いじゃなくて、はじめて見たし、動くから面白いと思った」

「これが車だと地図の上を正確に走るように見えるんだ」

「へぇ」

「もう50年も前の話しだ。そのうち電波の調子が悪いのか、道を外れるようになったから、使わなくなったけど、じいちゃんも日本中走り回ったから、道も覚えちまった」

「そうだよな、自分の目で見るのが、一番正確だ。」

と、おじさんが言った。

 

〔つづく〕

 

登場人物

 

山中 尊 (たける)主人公。月光からはケルと呼ばれている 

山中 命  (みこと) 尊と双子の弟、

山中 日光 (ひかり) 尊や命の従妹。月光の双子の姉

山中 月光 (あかり) 尊を追いかける妹のような存在。

山中 岳  (がく)  尊の祖父

山中 景  (けい)  日光と月光の父。海上保安庁の船乗り

「そうなんだ、おじさん凄いね。」

「まあな、今じゃここら辺しか通らないけど、九州を一周するぐらいは出来るよ、持ち場だから」

と一瞬遠くを見るようなまなざしをした。

 

しばらくして、皆で海に行く日が来た。

おじさんの車と、お父さんの車で、じいちゃんも一緒に来た。

じいちゃんは今年90歳になった。元気だ。

港について、おじさんが船を持ってきた。

海保の船だが、私用で乗っていいのかな。

と思いながら、船に乗った。

皆はウェットスーツに着替えていたけど、僕はジャイロスコープの事が気になって、操舵室を見せてもらった。

「尊が言っていたのはこれだ」

と言って地図をモニターに出した。

モニターは動くんだけど、地図ではベーリング海にいることになっている。

そうか、これでは使えないなと思っていると、後ろで「おお、ナビか、懐かしいな」

 

〔つづく〕

 

登場人物

 

山中 尊 (たける)主人公。月光からはケルと呼ばれている 

山中 命  (みこと) 尊と双子の弟、

山中 日光 (ひかり) 尊や命の従妹。月光の双子の姉

山中 月光 (あかり) 尊を追いかける妹のような存在。

山中 岳  (がく)  尊の祖父

山中 景  (けい)  日光と月光の父。海上保安庁の船乗り

「あぁ昔積んでいたナビシステムの事か?」

「たぶんそれ、今度見せて」

「いいけど、あれ、壊れているぜ」

「そうなの」

「うん、磁石自体はどうだかわからないけど、地図は合わないから、ずっと使ってないよ」

「それで船は動くの?」

「そりゃあ動くさ、エンジンかけて操縦すればどこにでもいくぞ」

「いや、僕が聞きたいのはそれで間違った方向にいかないのかなってこと…なんだけど」

「尊、心配するな俺は今まであんな地図案内なんか、頼りにしたことはないよ、目で見て島を覚えて航路も覚えているからな」 

「えっそうなの?」

「あの地図は衛星の電波を拾って位置を表すんだけど、この空になってから、正確な位置が映らなくなったらしい。

だから、俺たちがのるころには、使ってなかったから、全部目で見て島と、港と灯台があるころはもっと便利だったけど、今は灯台も壊れてしまって、少なくなったよ、仕方ないよな、誰も通らない海で灯台守もいなくなったんじゃないのかな」

 

〔つづく〕

 

登場人物

 

山中 尊 (たける)主人公。月光からはケルと呼ばれている 

山中 命  (みこと) 尊と双子の弟、

山中 日光 (ひかり) 尊や命の従妹。月光の双子の姉

山中 月光 (あかり) 尊を追いかける妹のような存在。

山中 蓮香 (れんか) 尊の母  

山中 景  (けい)  日光と月光の父。海上保安庁の船乗り

「じゃあ行ってきたらいいじゃない命や日光ちゃんも行くのよ」

「えっ!そんな話になっているの?命も行くの」

「今家で話しているわよ、おじさんもいるし」

「えー!月光の単独犯じゃないの」

「何言っているのよ、皆で集まっているのよ」

 月光を見ると、泣きそうな顔で僕を見ている。

「月光、僕も行くよ」

「本当に」

「だって皆行くんでしょう。それを先に言ってよ」

 と母の後をついて母たちの部屋に行った。

「おじさん、来てたんだ」

「月光の無理に付き合わなくていいよ」

「いや、そういう訳じゃないけど、皆も行くなら僕も行くよ」

「そうか、良かったな、月光」

 とおじさんが言った。

「うん!」

 と月光の顔が明るくなった。

「ところでおじさん、おじさんの船って、ジャイロスコープとかナビゲーションて言ったかな、ついているんだよね。」

「ジャイロスコープはついているよ、ナビゲーションは、今は違うものを使っているが、ついているよ…」

「地図も出るの?」

 

〔つづく〕

 

登場人物

 

山中 尊 (たける)主人公。月光からはケルと呼ばれている 

山中 命  (みこと) 尊と双子の弟、

山中 日光 (ひかり) 尊や命の従妹。月光の双子の姉

山中 月光 (あかり) 尊を追いかける妹のような存在。

山中 蓮香 (れんか) 尊の母  

山中 景  (けい)  日光と月光の父。海上保安庁の船乗り