日本人知人が働いているお店から「明日から来なくていい。」といきなりクビになった。
別に彼女がミスをしたわけでもなく、2年間、真面目に、優秀に働いていたのに。
経営者は店を複数持っていて、彼女の働きぶりなど、全然知らない。その店が売り上げが落ちたので店員ひとりを切ることにしたらしい。その月のお給料を支払っただけで、退職金も何もなし。
明日から路頭に迷うではないか......(そんなことは経営者は知ったことではない。)
彼女は学生ビザでネロで働いていた。ネロ(契約しないでこき使われること)で働いているのは、出稼ぎ移民たちだけではない。
日本人も、イタリア人も、経営者が税金を払いたくがないため、仕方なくネロで働き、生活しているケースは多い。
売り上げが落ちると「どうしてか?」「店の雰囲気」「商品はどうか」とか「どうしたら伸びるか?」ということに目を向けず「人ひとりを切って、経費節減(たいした給料でもないのに)」という安易な方法をとっているように思う。
彼女の働いていたお店に行ったことがあるけど、とても古いイメージの店内だった。
イタリアには何十年も改装していないでしょう、と思えるそういう店がある。どんな商品を並べても優秀な販売員がいても、あれでは、入る客も入らないでしょう...という感じの部類。
そういえば日本はビジネス本は腐るほど出版され、本屋に恐ろしく詰まれ、それだけ読む人もいるってことなのだろうけど、イタリアではそういう本は見かけない。あるのかもしれないけど。
経営者は社員や客の心理を先に読み、売り上げを伸ばそうというより、いかに法の裏をすりぬけて儲けようか、としているように思えてならない。