ローマの北、エルトリアの町、タルクィニアに日帰りで行ってきました。(鉄道で80分くらい)

イタリアの古い小さな町というのは高いところにあることが多く、その分、景色も最高なのですが、タルクィニア駅の周りも何もなく、バスで5-10分ほど坂を登ったところが城壁と町になっていました。城壁を入ってすぐに国立博物館があり、古代エルトリア時代の石の墓石や石棺、壷などがたくさんあって。

感動したのが、3階の奥の部屋にネクロポリから持って来た壁画で美術館内にネクロポリ(地下の墓)を再現してあったのでした。
最初、コピーかな、と思ったのだけど、よーく見ると本物。色の落ちているところも修復された跡の色もはっきりしていて......。
どうやって、地下の壁画の絵を持ってきたのだろう、と興味深々で解説を読むと、布地を溶剤(gomma lacca bianca)により貼りつけ、壁画の模様を写し剥がした、とありました。その様子を想像しただけでゾクゾクしてしまいます。

壁画に限らず、あらゆる物はあるべき場所にあってこそ、その印象やメッセージは強いというのが私の考えですが(日本で寺にあるべき仏像が美術館に展示されるのを見てつくづく思った)それでも、わけあって移動されても、ここまで壁そのままに写しとられると圧巻で、そこが美術館の3階であることを忘れてしまいます。


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美術館を出て、ネクロポリまでは徒歩で20分くらい。ローマのネクロポリやカタコンベは地下に広くつながっているのに対し、タルクィニアのはポツンポツンと点在した小さな家のような入り口があって(上写真)、階段を10段ほど降りた、地下浅いところに1部屋または2部屋くらいの壁画に囲まれたスペースがそれぞれありました。(下写真)受付で地図を渡されるだけ。ガイドはなし。


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もちろんそれぞれ階段を降りた部屋の前からのぞくだけで、中には入れないのですけど、どの絵もそれぞれ違うもので、古代ローマとはまた全然違って(もっと古い。紀元前7,6,5世紀)興味深く見学しました。
ただ、8月はまだまだ暑い。ポンペイなどもそうでしょうけど、野外を歩き回って見学しなければならないというのは、春か秋がいいでしょう。ほんと、暑かったー。