久しぶりに父と話したくなって

連絡した


用事はなかったけど



いつでも話せると思っていた

恩師の訃報に驚いたからかもしれない




父は、

耳が遠くて、なかなか会話が進まない


大した話題もなくて

父の大好きな息子の様子を話した


夏休みが始まって

朝の部活に一度も休まずに行っていること


自分で夕方に走り込みしだしたこと


でも相変わらず、衝動的なこと


暑い中、みんなイライラして…

ことに息子の態度の悪さに辟易していると

話すと…



まあな

そんな時期なんだろうよ

父は笑った


でも、あんまりうるさく言うなよ…?

息子に…、優しくな

うんと優しくしてやってくれよ?

頼むよ


などと言ってきた


ちょっと…

そんな言い方しないでよ

まるで私が鬼みたいじゃん!!



父の出す

困ったような、情けないような声に



じゃあね!



慌てて電話をきった


何だか

言葉に詰まってしまった


 


早くも秋の虫が鳴き始める夜が近い

気怠く湿度の高い夕暮れ