連日の露天風呂。ゆういちがいない間のちょっとした贅沢。

昨日よりも早く、空が青い。

青い空に旅客機が飛び交う。
飛行機雲を目で追いながら「僕はパイロットにはなれないな」と思う。
何百人もの人の命を乗せて飛び続ける。大変な事。

太古の昔から日々繰り返される“日没”というドラマ。
よくゆういちと海へ行き日没を見るが、刻々と表情を変え、あっと言う間に陽が沈む。
昼も夜も、空の時間はゆったりと流れるが、日の出と日の入り、この時間だけは、まるでタイマーがセットされているかの様に早送りで時が進む。後戻りも休憩もない緊張感で。

空が青い間は湯船でゆったりと眺めていた。

日没というドラマが始まった瞬間、緊張が走る。
だんだん暗くなる、ではない。
瞬間瞬間、ドラマティックに様々な表情を見せる。その瞬間の世界に惹き込まれていく。
西の空の鮮やかな色の変化。対照的に深い色に沈み込んで行く東の空。
西から東に走るグラデュエイション。
そのあちこちで演じられる、星と雲とのドラマ。
昨夜は大きな存在感を持って空を支配していた雲。今日は淡く、夜空に潜んでいる。
平和に輝く星達。昨夜、厚い雲と闘っていたあの主張はない。