武将が陥りやすい三大失観 ~武田信玄~
一、分別あるものを悪人と見ること
一、遠慮あるものを臆病と見ること
一、軽躁なるものを勇剛と見ること


武将が陥りやすい三大失観 ~武田信玄~

一、分別あるものを悪人と見ること

ある程度の地位を確立した人間のまわりには、ごまをすり良いことばかりを言い、あわよくばとすり寄る人であふれかえります。自分にとって都合がよい人と思いがちですが、本当に自分のためを思い、細かい気遣いにより気が付いた欠点など、嫌な言葉も言ってくれ、そうやって忠言してくれる人こそ本当によい人なのです。そういう人材を近くへ置くべきなのだが、その者を嫌な奴だ悪い奴だ敵だと遠ざけ、おべっか使いばかりをする者を味方だと勘違いしてしまうことはとても愚かなことですね。


一、遠慮あるものを臆病と見ること

謙虚な人というのは、常に影で努力し自分を高めています。決して自分の手柄をひけらかしたりしません。前に出てこないからといって何もしていないのではなく、そういう人こそ勇敢であり、愚痴など言わず裏で努力している認識ある素晴らしい人なのかもしれません。

一、軽躁なるものを勇剛と見ること
いかにも、知ったかぶって大袈裟に見せ掛けたり、人脈を自慢したり、自分は凄い人なんだと思わせるような素振り、自分は出来る人間だと思い込ませ、面白おかしき話をして楽しく気を使ってくれ、人にすごくいい人と思わせるようなことを言います。こういう人は大概口先だけで動けなかったりします。そこを間違えて重要な事柄をまかせてしまうと取り返しのつかないことに。大概、勇剛な人というのは慎重でぶっきらぼうで、他人からいい人とみられない場合が多いのです。