去年亡くなったわたしのおばあちゃんは、ちょっと面白い人。名前は泰(タイ)さんでした。
くも膜下出血で倒れた後、身体が不自由になりあまり以前のようにお話できなくなってしまったのですが・・・
リハビリ中のこと。
頭を使い続けるため、おばさん(おばあちゃんの妹)がそれはそれは口うるさく「電話番号は何番だ、歳はいくつだ、住所はどこだ」と毎日聞いていたそうです。
でも・・・口を動かすのが面倒なのか、しれっと無視することも。
そうすると「呆けてきた!」・・・おばあちゃんが口をきかないことで、周囲の人たちから出る言葉は確かに無神経になりつつありました。
頭の回転が速かったおばあちゃん、自分よりは劣ると思って生きてきた妹にそんなこと言われ続けて面白いはずがありません。きっと「わたしは話すのが面倒なだけ(そういう人)なのに、ボケ扱いして・・・」と歯がゆい思いをしていたのでしょう。おそらく。
ある時おばさんが
「74ひく6はいくつだ?」
いつものように質問したところ、おばあちゃんは
「おまえが答えてみろ」
と言ったそうです。おばさんだって70歳近くになる人でしたし、あまり計算が得意ではなかったので・・・
とっさに出てこなかったんだって
うちにしょんぼり帰ってきて「よかれと思って色々姉さんに言ってたけど、わかってるだけにイヤだったんだなぁ」と苦笑い。まぁ、確かに口うるさかったかも。だっていつも無理やりたべさせようとするから
「スプーンが追いかけてくる夢を見た」
っていってたもん。。。