天使のお仕事 55 | 指先の記憶

指先の記憶

大好きなおふたりと周りの人たちのお名前をお借りして、私の頭の中のお話を綴っています。二次創作にご理解のある方だけ、お読みくださいm(_ _)m

『魔王と相談して、人間界に流入する魔界の気を止めたり、魂の性質を変えたり、いろいろ試してみたのだがうまくいかない。人間たちが自分たちで気を汚してしまうからだ。』



チリョンさんも同じことを言ってたな。



『気が汚れれば魂も汚れる。天界で天使たちががんばって洗っても追いつかないのだ。その上天使たちまで汚れてしまって、、』



「魔界へ送られた天使さんたちは、、元気にされてるんですか?」



悪魔になったとはいえ、もしかしたら知っているひとがいるかもしれない。



『ああ、みんな居心地よさそうにしているそうだ。多少は欲があったほうが、楽しんで過ごせるのかもしれないね。』



「悪魔さんたちはずっと魔界にいるんですか?」



チャンミンも魔界に送られた天使さんたちを心配しているようだ。



『そうだ。悪魔が人間界に出入りすれば、魔界の気が流入してしまうからね。』



「好奇心旺盛な悪魔さんたちがずっと同じところにいて、よくガマンできますね。」



チャンミンの声の調子がそれまでと変わったように思えて、横から窺い見ると。



なんとチャンミンは神様をまっすぐに、まるで睨むように見つめていて驚いた。



「お、おいチャンミン。」



おれは慌てて止めようとしたけど、チャンミンは前を向いたままおれの手を掴んでギュッと握りしめる。



だけどおれはその手が震えていることに気づいて、黙って前を向いた。



チャンミンだって神様に盾突くようなことをして怖いんだ。



だったらおれはチャンミンの力にならなきゃ。



そう思ってチャンミンの手を握り返した。



どれくらいの間、そうしていたのかはわからない。



神様がいらっしゃるらしいところは、相変わらずまぶしく輝いているから、そこにいらっしゃるんだろうけど。



まったくお声は聞こえず、圧迫感が増して身動きもできない。



突然、ふっと体が軽くなったような気がしたとたん、神様の含み笑いが聞こえた。










最後までお読みいただき、ありがとうございました。