天使のお仕事 46 | 指先の記憶

指先の記憶

大好きなおふたりと周りの人たちのお名前をお借りして、私の頭の中のお話を綴っています。二次創作にご理解のある方だけ、お読みくださいm(_ _)m

それからしばらくは何事もなく過ぎたけど、おれのとなりにいたひとがいなくなった。



となりだからあまり見ていなかったけど、色が変わっている感じはなかったけどな。



それから向かい側でおれの話をしっかり聞いてくれたひとも見かけなくなった。



ひとり、またひとりと、いなくなっている気がする。



いなくなってもすぐに新しいひとがくるらしく、数は変わらないようだ。



いっしょに仕事していても親しくはないから顔もちゃんと覚えていなくて、気のせいかもしれないけど。



「ねえユノ、最近ひとが入れ替わってない?」



「チャンミンもそう思うか。やっぱり前からいたひとがいなくなってるよな?」



「うん、それで新しいひとが入ってきてるみたい。」



「じゃあおれの気のせいじゃなかったんだな。」



なんだか気持ちが重くなった気がする。



「だけどね、そのいなくなったひとたちなんだけど、ユノの話をちゃんと聞いてくれたひとたちのような気がするんだ。」



「え?」



まさか、そんな・・・



「だからさ、もしかしたら天使課に異動になったんじゃないかと思うんだけど。」



あ、そうだ!



「そうか、その可能性もあるんだ。」



「うん、だからもしそうだったらうれしいなって思ってるんだ。」



チャンミンがうれしそうに笑ってくれたから、おれも自然に笑顔になれた。



もしもチャンミンの考えが正しければ、おれたちの話を聞いてくれたひとたちが天使課へ異動になったことになる。



それを確かめる方法はたぶんない。



天使課のチリョンさんを呼び出すことはできるんだろうけど、きっと訊いても教えてくれないだろう。



ただ、すべての天使さんたちが真っ白いままでいられるように祈ることしかできなかった。










最後までお読みいただき、ありがとうございました。