Middleburyで仲良くなった、Chiaraという女性がいる。



yunのブルーミントン日記 分かりにくいけど、写真右。


yunのブルーミントン日記 写真真ん中。


42歳の彼女はイタリア系アメリカ人の家庭に生まれ、色んな仕事を経て、専業主婦も経て、離婚後の直近は少しイタリア語の先生をしていた。

自分を見つめなおす機会に&今後の自分のキャリアのために、とMiddleburyでマスターを取ろうとしている。この秋からは一年間フィレンツェで勉強する予定だ。


イタリア語の先生といってもそこまで語学力があるわけではなく、(家庭でイタリア語を話していたため聞き取りとしゃべりは上手だが、きちんと勉強をした事があまりないために文法や語彙などの力はあまりない。)私と一緒に、非イタリア人が沢山取っているような授業を取っていた。


最初の印象としては、

・美人! (金髪、長身、フィットネスオタク故のナイスバディ。)

・ちょっと・・・あまり頭が早く回転する方ではないのか? (歴史の授業等、ものすごくアホの質問を真顔で行う。)

・おっとりしている。 (話し方、笑顔等。)


という感じ。

「アメリカ人だなー」と思うのは、

どんなに忙しくても一日一回はジムやヨガにセコセコと通う点。

「私、食べるの嫌いなの」と、食を味ではなく、単なる栄養素と捉えている点。

普段の授業にスポーツショーツで登場し、Middleburyと書かれたTシャツやパーカーを速攻で買って着ている点。


「アメリカ人っぽくないな」と思うのは、

日本女性の様なおっとり感が漂う点。ゆったりと話し、笑顔がとてもやさしい。



とにかく彼女は雰囲気が可愛らしいので、授業中、思いっきり的外れな質問をしても、一人ですごい授業を止めてしまっても皆から笑顔で許してもらえる。


そんな彼女と私はすぐに仲良くなり、色んな話をしたり、勉強で分からない所を一緒に考えたりしていた。


そのうち、彼女の過去について色んな事が分かる。


実は彼女、かなりのダメンズ好きで、過去付き合った男はヤク中だったりアル中だったり、はたまた金だけある冷たい男だったり・・・

と、なかなかしんどそうな人生であった。

現在一滴も酒を飲まないようにしている、っていう事の背景にも何かの理由があるのかもしれない。


そんな彼女には今、付き合って数ヶ月の彼氏がいる。

バツイチ、高校生と中学生の子供が二人いる弁護士さん。

彼とはメディテイション(瞑想??何だ?セラピーの一種か?)の会で出会い、最初は彼の誠実そう&イケてない外見から、「私の好きなタイプの、ちょいワル男と違う」と彼のアプローチを断りつつ、数ある結婚相手紹介サイトに片っ端から登録していたらしい。


なのだが、ふとある時、

「こういうタイプがいいのかも」

と気付き、付き合ってみたら超幸せになっちゃった

という。


彼の話をするときの彼女の笑顔はとーっても優しく、幸せそうである。

「私は彼が大好き。彼は私が大好き。」

等々、いつも大々的に惚気ける。


惚気ける時の彼女の顔には一点の曇りもなく、こちらまで幸せな気持ちになる。

彼ははるばる6週間の間に2回もニューヨークから車で9時間かけて彼女に会いに来たのだが、一度見せてもらったその「再会シーン」は、まるで映画の一場面の様であった。


そして気づく。


彼女、42歳。波のある人生を送ってきた。

年下の、知り合ったばかりの私に対し、本当に素直に彼氏への愛をぶちまける。


そんな素直な女性、一体日本に何人いるだろうか。


文化の違い、と言ってしまえばそれまでだけれども、日本人はやはりパートナーに対するリスペクトが欠ける面があると思う。


「うちの嫁は美人でないし頭も悪いが、子供の世話はしっかりやってくれるんだ」

「うちの旦那、家では何もせずにゴロゴロするし、加齢臭あるし、どーしようもないオヤジなんだけどまぁ仕事は頑張ってるわね。」

「うちの旦那、心優しいのだけが取り柄でさ、もう甲斐性がなくって。」


と、こういうフレーズが「ノロケ」の部類に入る、日本社会。

多分これらのフレーズ、日本人的には「あ、相手の事をちゃんと認めてるんだな」とわかるものの、きっと外人に見せたら

「何てRudeなの!!」

という事になるのだろう。


心の中では相手をリスペクトしつつも、他人の前ではむしろ「欠点」を強調して話してしまう日本人。


他人の前だけのみならず、やはり


「結婚後○○年、人前で手をつなぐなんてこっ恥ずかしくてやってられるかっ!」

「もうお互い○○歳、相手に「愛してる」なんて言ってられるか!」


という感覚、日本人にはあると思います。

照れ屋・・なのは仕方がない。

口や行動に出さずとも相手の事をリスペクトしているのは存分に分かる。


・・・けど、圧倒的に「トキメキ」がない。


トキメキなんて、10年昔に忘れてきたわぁ!

トキメキー?!そんなん、子供一人も二人もこしらえて、今更なんやねん?!


という日本人、大半でしょう(笑)


もしChiaraが日本人だったら。


まず、離婚歴があるという事で少し引け目を感じるかもしれない。

42歳という自分の年齢にもこだわってしまうだろう。

故に、自分の彼氏の事を知り合ったばかりの私に目を輝かせて話す事はしないであろう。

映画の様な再会シーンを公開する事もしないだろう。


・・・

年齢、未婚/既婚、子供の有無、等々関わらず、

相手にトキメキを感じていられるというその素晴らしさ。


Chiaraの澄んだ笑顔を見つつ、そんな事を感じた夏でした。