イタリア入りして初日。
町に出ようと、メトロ券の自販機に並ぶ。
私達の前には小柄なイタリア人の女の子が並んでいた。
年齢は20歳ちょい位だろうか、ワンピースを小奇麗に着た彼女はとても可愛らしく、お育ちの良い感じがした。
その彼女は券を買おうとした際にカードを使おうとしたのだが、何度試してもカードは機械から吐き出されてしまう。まぁイタリアではよくある事だ。
・・・そのとき。
その可愛らしいお嬢さんが叫んだ。
"Che cattsu e questa macchina !! Porca buttana !!"
えっとー・・・
直訳します。
「なんてチ○コな機械なのっ!!(聖母)マリアの娼婦野郎!!」
です。
彼女は最後にもう一度、
”Cattsu!!” (「チ○コ!!」)
と叫んで、結局現金で払っていました。
いやー・・・。年若きお嬢さんが「チ○コ」なんて叫んじゃダメですよねぇ。そしてカトリックのこの国においてマリア様やらイエス様を罵倒するなんて何と罰当たりな。
まぁ、要は「悪態」。
イタリア人はすぐに「悪態」をつくことで有名で、「悪態」のつき方にも色々ある。
二年前にイタリアの厨房で働いていた時も、まぁ一分に一度はこういう「悪態」が人の口から出てきていたかな。
そもそも”Cattsu”(チ○コ) は、まぁ日本で言う所の「クソっ」 みたいな感じだろうか、
あまりにも言うのが一般的になりすぎて、時には1つの文章に2度3度登場する事もある。
<使用例>
「昨日さぁ、うちのチ○コパソコンが壊れてさぁ、それでメモリがチ○コすっかり消えちまったんだよー」
「えー??!!チ○コー!!最悪じゃんそれ!」
という感じか。
もう私はすっかり聞き慣れてしまって普通に聞き流していたのだが、
改めて彼らの会話を「日本語訳」してみると意味の分からない下品っぷりにビックリ可笑しく感じる。
ちなみにイタリアには無数の方言があるのだが、イタリア南部の方言でチ○コは、”Minchia”。
なので人々も北部の人々が「Cattsu!」と言うのと同じ位、「Minchia!」と叫び、「Minchia」を会話の中に取り入れる。
北でもチ○コ。南でもチ○コ。 老若男女誰でも使う。
それでも、チ○コは可愛いものだ。罪がない(笑)
イタリア人がさらに感情的になると、神を罵倒する言葉を言い始める。
これについては、「恥ずべき事だ」 と評価する人もいるし、皆が常用しているわけではないだろうが・・・
いや、しかし相当よく聞くな・・・。
まぁ、聖母マリアを娼婦呼ばわりしたり、神様を「汚いブタ野郎」と言ったり・・・
そういう事ですね。
汚い言葉が当たり前になりすぎ、それでは感情が収まらない!!っていう時に使用するらしい。
日本人的には「バチが当たりそう」と恐ろしくて口に出せない事ですよね。
ちなみに、サッカー観戦などで熱くなったイタリア人が頻繁に口にするのは、
”バッファンクッロ!!”
である。
サッカー場なんて行こうものならもうこれしか聞こえて来ません、的な。
これは結構「悪い言葉」として深刻に認識されている事らしく、例えば対人的に使ったりすると本気乱闘必至、という感じのもの。
英語で言うところの
「ファック ユア アス」
ですかね。
こんな汚い言葉に囲まれてイタリアを旅しているわけなのだが、
ミソジの夫は真っ先に汚い言葉を覚え、事あるごとにこっそり発しては嬉しそうにしている><
「ウンコ、チンコ!!」と連呼して喜ぶ幼稚園児を連想してしまうのは私だけだろうか。
退行の兆しが見える彼が無事に一年後、東京の中堅サラリーマンに戻れる事を祈っております。