マンションの近くに、ヨガスタジオがある。

ブルーミントンに来た当初から気になっていたので、早速コンタクトを取り、通う事にした。


Know Yoga, Know Peace


yunのブルーミントン日記

何ともおしゃれな名前のヨガスタジオだ。


コースとしては、Hatha Yoga(ちょっと筋トレっぽいヨガ)、 Day Break Yoga(早朝の軽めのもの)、 Warm Yoga(普通の室温でやるもの)、 Hot Yoga(高温、高湿度でやるもの)、 Pilates

と各種ある。


私は「最初の10日間、30ドルで受けたい放題」期間に、各種お試しをしてみた。

結果気に入ったのは、Hot Yoga と、Pilates。

日本では、通っていたジムのスタジオプログラムに参加してた位で本格的なヨガスタジオに通ったことはなかった。

なので最初はちょっとドキドキ。


でも、スタジオに一歩踏み入れ、推定体重130kg超のおばちゃんを見かけた事により、私の緊張の糸は一瞬で解ける。


大丈夫、ヨユーでいけるぞ!!


そのおばちゃんは、足が体重を支えきれなくなったらしく、膝にいつもグルグルとサポーターを巻いている。

で、スタジオに入る前から汗だく、スタジオに入って10分もポーズをするとバテるらしく、あとはマットにゴロンとなって寝てしまう・・・・


あんた、だからダメなんだってば!!笑



こちらのスタジオ、小さな部屋に大体5-6人の生徒&先生が入る。

鏡は前と横、二面に取り付けられており、そこまで混み合ってもいないのでよーく自分の姿勢が見える。

んで、他の人の様子も見える。

これが、なかなかに面白い。

何が面白いって、「ヨガスタジオの様子」という、小さなひとコマを取り出しても、お国の差が歴然と現れているのだ。



①先生


先生は何人かいて全員女性なのだが、大きく分けて二種類存在する。

「動ける巨デブ」 と、「腹筋六割れ系」 だ。


最初に受けたクラスの先生は、前者であった。 「さぁ、始めましょう」とスタジオに入ってくるまで、彼女が受付のお姉ちゃんだと思ってたので、これは驚いたもんであった。

日本のジムでヨガを教えていたインストラクターは皆、スラっと華奢なモデル体型だった。

そんなインストラクターを見て、「ああなりたい!」と皆やる気も出るもんだと。


しかし、目の前で呼吸法をやり始めたこのアメリカ人、紛れも無い巨デブなのだ。

室温のヨガだったのだが、当然呼吸法をしているだけでワキ汗がハンパない。

驚きを隠せないまま、レッスンは進んでいく。 日本のヨガで見慣れたポーズが、彼女がやると別のポーズに見える。 四つん這いで、三角形になるようにお尻を上に突き出すポーズは、お尻が大きすぎて台形に見える。 「戦士のポーズ」も、「コブラ」も、何かが微妙に違う。


でも私は気づいた。 彼女はそれでも、完璧にポーズをこなしている。 あの体型で、このポーズをするのは、普通の人がやるよりもずっとキツイものなのだと。

だって、何をするにも腹肉、ワキ肉、尻肉が邪魔をする。 その邪魔をする肉を押しつぶしつつの、ポーズである。 肉を押しつぶす力は余分に必要という事だ。

これはすごいぞ。アッパレだ。


よって、彼女は「動ける巨デブ」と命名。 立派なインストラクターである。

ただ、レッスンの終わり、皆がマットに寝転がってリラックスをしている時、リラックス効果を高める用に置いてあるアジアンな鐘を 思いっきり「ゴーン!」と鳴らされたのには、閉口した。 頭が割れるかと思った。



さて、後者の「腹筋六割れ系」。

アメリカ人、どうしてこうも、筋肉か贅肉、どちらかを過剰につけないと気が済まないのか。

こちらのタイプは、筋繊維がよーく見えるような体型をしている。 個体差で、筋肉+贅肉の人もいれば、贅肉率がとても低そうな人もいる。 でも、皆ごっつい。 そして多くが見事なまでの日焼けをしているのも面白いところ。


レッスンを受けながら、「へー、筋肉ってこうつくのかー」って、好奇の目で眺めてしまう。

並のニッポン男子よりもずっとずっと強い事、間違いない。肩幅なぞ、T氏の1.5倍はあるであろう。

そりゃもう、運動神経抜群なんだろうし、本人も自分の体に満足している事だろう。


ただ、私はアメリカ人女子に問いたい。

「これが、アナタ達が目指す体なのですか?」と。

そして、アメリカ人男子に問いたい。

「アナタの彼女がこの体型だったら嬉しいですか?」と。


いつかホンネを聞き出したい所である。



②汗


Hot Yogaはかなりの高温&高湿度で行われる。 そうすることで汗が大量に出て新陳代謝が良くなり、また体も柔らかくなる事で怪我のリスクも減り、より効率的にヨガの効果を出せるらしい。

実際、終わる頃には全身汗だく。 心地良い疲労感が得られる。


日本人の中ではかなり汗っかきの私。 よく周りからからかわれていた。

ただ・・・

さすがアメリカ人。 汗の量も規模が違う!!!


「おっ、そろそろ汗が背中を流れ始めたぞ」と思ってふと隣を見ると、

隣の人は、既に腕を、足を、滝のように汗が流れ落ちているのだ。 ポタ、ポタと汗が落ちるのに音をつけたら、かなり心地良いテンポを刻むだろう。

終わった後、私のマットの周りには数滴の汗が落ちているのだが、隣の人のマットの周りは既に「池」状態。

いやー、これにはビックリ。 皆が2L位の水をガバガバ飲みながらやってるのにも納得。 それに対して、500mlの水を慎ましやかに飲み、しばしば飲み切れない日本人。 あらゆるものの消費量が低い、何てエコな人種なんでしょう。



③酸素


ヨガの重要ポイントとして、呼吸法がある。 鼻から吸って~、口から吐いて~。肺を膨らまして~、しぼめて~。な感じで先生の支持に従い、呼吸をする。

ちなみに「吸う」がinhaleで、「吐く」がexhaleらしい。 ヨガ英語はすべて、見よう見まねである。


この呼吸法、皆のテンポに合わせると窒息しそうになるのだ。


なにせ、inhale が長い!! 私の肺が空気でいっぱいになり、「もう吸えません」状態になってもしばらく皆、「スー」と大きな音を出して息を吸い続ける。 一体どこまで吸えば気が済むのか。

そして exhale。 これまた、私が息を吐き出しきってもしばらく皆、「ハァ~」と音を出している。


体の大きさが違うから当然なんだけど、消費酸素量、排出二酸化炭素量までこんなに違うんだね。

日本でヨガやった時は、先生の号令に合わせてスーハーやって、ちょうど良かったのに。

地球に優しい日本人。



④存在感


クラスには色んなアメリカ人がいる。

男、女。老齢、若齢。白人系、ヒスパニック系。

みんな存在感がハンパない。


最近の流行りらしく、男女共にタトゥーが入っている人が多いのだが、男性のタトゥーはこれまた鮮やか。「ギョウカイの方ですか?」と思うような柄が背中やら足やらに入っている。マッチョかつデブの巨大な男性が斜め前に位置し、その背中からフクロウのでっかい顔がこっちを睨んでいる・・・こ、怖いっ!!

話してみるとめちゃくちゃソフトでいい奴なんだけどね・・・。何故にあんな柄にするんだろう。理解に苦しむ。


で~ンと突き出たお腹を惜しげもなく丸出しにし、スポーツブラと一分丈スパッツで果敢にポーズを取る大柄な女性。 お見事!としか言いようがない。


共通して言えるのは、

・体型にかかわらず、足が長い!!!

巨大な/ちょっと大きな お尻達が、ありえない位高い位置にあるのだ。自分がひどく短足に見える。 

・ウェアの露出度が高い。

太っていたとしても肌を見せる事に何の抵抗もないらしい。

・「私は私」の世界観からか、結構皆、自分の気分で指示とは違うポーズをいきなりとり出したりする。これも日本人にはない感覚である。


ともかく、そんな人達と同じ鏡に映り、黙々と指示されるポーズを取りつづける私は、今にも消え入りそうである。

「アノ人ってさ、存在感ゼロだよね。だよねー」と言われかねない。

いいんです。はい、ゼロでいいんです。


日本人の中で、身長も小さい方ではなく、ずっと運動してきたから別に弱々しく見える方ではないと思っているけれど、この国で私は完全なる「もやしっ子」である。

例えクラスの誰よりも持久力があったり色んなポーズが出来たとしても、鏡の中の自分に存在感が生まれる事はない。

大根やカブに混じって、頭でっかちなモヤシがいる、 そう。まさにそんな感じ(笑)


日本の三分の一位の価格でできるヨガ。

モヤシ代表として今後もちょこちょこやっていこうと思う。