T氏は大のビール好きである。ビールと名のつくものはいくらでも飲む。

細身の体の一体どこにそれだけの液体が入るのだろうか??と不思議である。


ブルーミントンに到着して数日後のとある日、MBAクラスの同期の子と三人でアイリッシュパブに行った。


そこで、T氏は、自分の中の「オトコノコ」を目覚めさせてしまう、ある光景に出会ったのだった。



yunのブルーミントン日記 え?何が何だか分からないって??

テーブルの横に立てかけてあるこの棒のようなもの、実はビール。

「ヤード」と呼ばれる大きさのグラスなのだが、、、

これってあり??と思ってしまう量だ。

思わず写真をパチパチ取る日本人。


このカップルは、特に盛り上がる事もなく、普通に食事をしながらこれを飲み干していった。

ちなみに女性の方は水しか飲んでいない。 一人デートにて淡々と「ヤード」を飲み干す彼氏。 アッパレかつ、ありえない光景であった。




その日以降、T氏は「ヤード」克服へ「オトコノコ的」な野望を抱き続ける事となる。


アルコール分解酵素を豊富にもつ、白色人種への挑戦心。

蒙古斑があったって、英語わかんなかったって、どんなに筋トレしてもゴツクなれなくたって、ハンバーガー一人前食べれなくたって。


ニッポン男児、ヤード位飲んでやるぜっ!!!


いつの間にか、私も彼の挑戦心に完全に共鳴。




そしてその日がやってきた。

同じアイリッシュパブに、日本人6名で行った時。


yunのブルーミントン日記 T vs ヤード。戦いの火蓋は切られた。

「グラスを割ったら弁償」という事で、火の車の家計を預かる主婦としては横でハラハラと見守る。


戦い前半。

当然だが、ビール入りのグラスはかなり重い。 泡も豊富に立っているため、かなり飲みにくそうである。 そして、口も広いため、飲んでも飲んでも減らない感がある。

「果たして飲みきれるのか?」と皆が不安になる中、一人モクモクと格闘すつT。


戦い中盤。

グラスの口が急に細くなる。 と同時に、「ちょっと飲むとぐーんと減る」の楽しさが加わる。 

皆が会話に夢中になっているなか、あっという間に「口の細いゾーン」をクリア。 そろそろトランス状態に入ったか。


戦い後半。

意外にしぶとい、グラスの底。 フラスコのように、球状になっているのだが、これがかなり大きいのだ。

グラスをかなり持ち上げないと液体が落ちてこず、傾け過ぎると一気にながれてきすぎてむせる、という難しさ。テクニックを問われる所である。

慎重に慎重に飲み続け・・・



yunのブルーミントン日記 ついに完飲!!!おめでとう!!!!



よくやった、我が夫。

何となく、アメリカに勝った気分になる(アイリッシュパブなんだけど 笑)

うん、良い気分☆



ちなみにT氏、飲み足りなかったらしく、その後こっそり瓶ビールを追加で頼んでいた!!


ヤードは一つ16ドル。前の会社の技術職の子が理系的に計算してくれた結果、多分2リットル以上あるだろうとのこと。 ジョッキで沢山飲まれるより経済的であった 笑




ここアメリカでは、アホみたいなサイズの食べ物に溢れているが、飲み物のサイズもアホである。

一口も飲む気がしない程甘く、ドギツイ着色料と人工甘味料の味がするシェーク?みたいなものを、こっちの人たちは30センチ位あるコップで飲みながら歩いていたりするのだが、

ビールのサイズも少々おかしい。

ここでは、そのビールネタでもう一つ。



yunのブルーミントン日記
滞在中のホテルに隣接したお店で、「本日のスペシャル」として8ドルで売りだされていたバドワイザー。



・・・・バケツか????



ジョッキ5杯分あるらしい。


T氏、嬉しそうに飲み干していた。



そう、私の亭主はビール王。