入学許可をくれた学校への返事を出す最終日は5月1日だった。4月初めより4週間の間、どこに決めるか迷い、毎日考えが変わりながら、結論を出したのは、ハイスクールシニア年の学生はどこでも共通だろう。

正式な授業料は、住んでいる州の公立が、1万ドルほど、私立学校は5万ドル、州外から公立へは、3万近くの過金があるので、私立校とあまり変わらない。そして、家族の収入により、各学生が払うべき値段の計算がされていて、親の収入が学費より少ないと、親の負担金はゼロ、学生に、返還不要の奨学金と 学校内雇用、ローンを組ませることで、入学はできる。

しかしながら、ミドルクラスの家庭は、成績による無償の奨学金が出ることもあるが、出ないと差額も全額負担。すると親がローンで借りないと無理。うちの場合、親の負担は最低3万ドル程度というのは、共通奨学金応募書類出した時から、わかっていた。そして、無償奨学金が出たが、それは学費の半額弱なので、生活費などをいれると、4万ドル超えるが、夫の仕事先でも、援助をひと月千ドルくれるので助かる。

こういうことが、実際に入学許可を貰った後で、重要なポイントになるのは、誰もあまり考えなかっただろう。願書出すときは、どこにも入れなかったらどうしようという不安で、沢山受験するが、実際入ったらのことは後回しになる。

許可が出た後、合格で喜んでも、一年間の食住込みの必要費用が7万ドルで、無償奨学金なしなら、受からなかったのと同じ。これは、留学生は払うことができるケースが多いが、普通のアメリカ人なら、無駄と考える。

アメリカでは、子供が高校になったら、家族収入が少ないほうがかえって有利なようだ。大学も、経済力なくても優秀者、在籍者少ないマイノリティならもっと優遇、をいれて、学生層のバランスとろうとする。もちろん学校に寄付金をたくさん出せる金持ちは、歓迎だが、たぶん人口の1パーセント以下。また両親働いていれば、普通ミドルクラスの収入があると思うが、そうすると、大学に子供行かせるのが本当に難しい。大学生が二人以上いたら、どこかでローンしなくてはならず、その返済に、何十年もかかる。親の名で借りるが、普通返すのは子供。借金なしで卒業できるというのは、言い尽くせない価値がある。

娘は、そこまで考えて、一般知名度は高くないが、就職先も高収入が多い、実家からもあまり遠くない工科大学を選んだ。もちろん夫の働く大学だったら、授業料免除で、生活費も無料だが、それは、特別な事情で転入という時しか考えなかった。でもその選択肢のある娘は幸運だ。息子の行ったアイビー校に行くのが目的だったら、たぶんあの町を離れない方が良かった。地元高校生は優先的に入れるシステムだから。でも、そうしたら、スリランカでの生活は無かった。外の競争がこんなに厳しいということを知らず、なんとか、アイビーを出ても、自分のアイデンティティが、アジアの顔した一般のアメリカ人となったと思う。どちらがいいというのではなく、あえて挑戦した経験が、これから先の底力となるなら、それがスリランカ学校生活だった。

この一か月、娘が自分が憧れのように行ってみたいところと、どこへ行くべきかを、冷静に考えたのは感心した。私なら、ロスでの漠然とでも、楽しそうな大学生活を選んだと思うから。借金は気になるが、何とかなると、楽観して。で、後で休学して、働きながら、時間かけて、やっと卒業とかになると、もちろん就職も難しくなる。そのリスクよりも、20歳過ぎて大学院で、お金の心配なく、大好きなカリフォルニアもしくは、分野のトップ校へ行きたいと、16歳の娘は、結論した。既に学校の4泊オリエンテーションキャンプにもサインアップ、カレッジライフは、目前である。今日は、高校授業最終日、もう、朝の通学渋滞は避けられる。6月末、エーレベルが終わったらすぐ卒業式、7月末ぐらいに、日本経由で、アメリカへ戻ると思う。