最近になって、よく夢にでてくる
似たような人を見た日
似たような体系の人を見た日
似たような髪型
似たようなカバン
似たようなものなんて、そこら中に溢れてる
そのたびに、夢にでてこられたんじゃたまらない
未だに未練を持っているってことなんだろうか?
でも、もし、再び会う事があっても笑って会うことなんてできない
夢に出てきた日は、ずーっと考えてしまう
解放してほしいのに
これは何なの!
<警察署>
-走ってくる薫
中西:どうした?
薫:芹沢君のお兄さんが
直人を呼んでくれって
<取調室>
-入室する直人
法良:…俺はダメな兄貴だ
昔から意気地がなくて
お父さんに言いたい事を
はっきり口にするお前が
ずっとうらやましいと想ってた
直人:何だよ
急に
法良:俺はいつもお父さんの顔色ばかり窺ってた
お父さん
直人:そんなことない
法良:俺にはわかる
本当はお前に後をついでもらいたいんだよ
お父さんのこと頼むな
直人:ああ
法良:タバコ、
買ってきてもらえないか
最後に一服したいんだよ
直人:…ああ、わかった
法良:直人
すまない…!
-部屋を出る直人
-手に握っていた小さく折りたたんだ紙を机に出す法良
-胸ポケットから、宗田に差し出したタバコケースを出す法良
-タバコと灰皿を持ち戻ってくる直人
-倒れている法良
-法良の横には火のついたタバコ
直人:兄貴ー!!!!
<病院の霊安室>
-走りこんでくる栄作
-霊安室に寝かされている法良
-側には直人
栄作:のりよし…
法良…
どうして、お前
こんな
-法良の手を握る栄作
直人:兄貴がこの紙を…
----------------
お父さん
ご迷惑をお掛けして申し訳ございません
栄作:馬鹿なことを!
-泣き崩れる栄作
栄作:直人…私を許してくれ
この世の全ての人を幸せにできるなど
偽善者の思い上がりだと思った
誰かの幸せの影には
必ず誰かの不幸がある
それが、この世の道理だと
息子達の幸せを
守る道だと信じていた
この歳になって
情けない…
私の間違いが
法良を
死に追いやってしまったんだ
-手を握りながら悔やんでいる栄作
直人:兄貴を頼みます
栄作:どうするんだ?
こんなことがあっても
お、お前達2人、
私の息子だからな…!
-泣き崩れる栄作
直人:…はい
-霊安室を出る直人
栄作:法良…
-泣き声が部屋の外まで響いている
-霊安室の前で泣き出す直人
<警察署、廊下>
-歩いている領
刑事:まさか、署内で自殺とはな
青酸カリらしいぞ
-部屋から出てきた中西と会う領
中西:先ほど、芹沢法良さんが自殺されました
-驚く領
これもあなたの狙いなんですか?
幼い頃の傷は
その人の一生を支配します
間中友雄は17歳という若さで
これ以上ないような
悲しい経験をし
その上、世の中の影を知った
それが、彼を
恐ろしい怪物にしてしまったのかもしれない
ですが、
これだけは分かって欲しいんです
芹沢も、15の時から11年もの間
罪を背負って生きている
間中友雄が
あいつの辛さを一番わかってやれるはずです
お願いします
もう、芹沢を許してやってください
-頭を下げる中西
-署内に戻っている直人
-泣き崩れている直人を見てしまう領
<赤い部屋>
-直人の写真を見ている領
-部屋の写真を破く領
-机のものを払い落とし、部屋を荒らす領
<芹沢家>
-法良の結婚式の写真を見ている栄作
-栄作、法良、直人の笑顔の写真
-苦しみだし、倒れる栄作
<昼間の道>
-領を待つしおり
-しおりに気付き素通りする領
しおり:怖いんです…!
-たち止る領
成瀬さんが心配で
あなたに何か起こりそうで
-しおりを見つめ、立ち去る領
-追いかけ、後ろから抱きしめるしおり
しおり:もうやめてください
なぜ、暗いトンネルの中に進もうとするんですか
少しでいいんです
顔を上げてみてください
キレイな木漏れ日が見えませんか?
木々のざわめきが聞こえませんか?
-視線を上げる領
春にはかわいい花が咲くんです
秋には紅葉がつつんでくれるし
冬には落ち葉の絨毯ができます
雨が降った後には大きな虹がかかることもあるんです
成瀬さんが進もうとする道にはこんな幸せな景色がありますか
-視線を戻す領
-しおりの手をそっと払い、しおりを見つめる領
-1人で歩き出す領
<警察署取調室>
葛西:宗田を殺した犯人は捕まってないんですか?
領:ええ、まだ
あなたの
保釈が認められました
保釈金は私が…
暴行強制で実刑になれば
外に出られるまで
何年かかるかわかりません
少しの間だけでも
愛する人を大事にしてあげて下さい
<芹沢家>
直人:父さん?
父さん?
-倒れている栄作に気付く直人
直人:父さん!
父さん!
嘘だ…父さん!
‐‐‐‐‐‐栄作:お前達2人、私の息子だからな
父さんと
話したいことが
沢山、あったのに…
なんで
-手を握り、泣き崩れる直人
-栄作が見ていた3人の写真を見つめる直人
-何かを決意したような直人
<警察署前>
-麻里に電話する葛西
葛西:ありがとう
一言お礼がいいたくて
麻里:葛西君
私、あの家を出ることにした
葛西:ごめん
俺のせいで
麻里:私が決めた事だから
部屋で待っててもいい?
葛西:うん
じゃ
-電話を切り歩き出す葛西
-葛西の出所を睨んで見ている山野
-領の電話が鳴る
領:…もしもし
<夜の公園>
山野:どうして、葛西を釈放したんですか!
領:彼はもう
十分、苦しみました
山野:まだ、十分じゃない!
あいつも僕を苛めていた一人なんです!
領:…あなたは
誰の為に復讐しているんですか?
山野:…も、もちろん秀雄の為です
領:だったら…
山野:もういい!!
もう、あなたには頼らない
僕がこの手で仕留めます
-ナイフを出す山野
領:何をするつもりですか?!
山野:うるさい!
-ナイフをもった山野の前に立つ領
領:やめてください!
そんなことしたら
秀雄があなたを止めた意味がなくなる…!
‐‐‐‐‐‐秀雄:そんなナイフどうするの?
あんなやつらの為にダメになるお前なんか見たくない
領:バカなことはやめて下さい
-ナイフを受け取ろうとする領
-領を刺してしまう山野
-倒れこむ領
山野:あ、あんたのせいだぞ!
僕の邪魔をするから!
領:もう…
やめるんだ
山野:うるさい!
-走り去る山野
<夜の街>
-葛西を待ち伏せし、背中から刺す山野
-倒れる葛西
-葛西の部屋で待つ麻里
<カフェ ガランサス>
絵里:さっき成瀬さんがきて
しおりにって
-紙袋を受け取るしおり
-中身は手紙とオルゴール
-手紙を読むしおり
-どこかに電話をかけるしおり
-つながらない電話
-しおりの電話が鳴る
しおり:はい
中西:芹沢から電話がありませんでしたか?
しおり:いえ、今日は何も
中西:そうですか
(刑事:係長!芹沢が無断で銃を持ち出したそうです)
(薫:まさか、成瀬に会いに行くつもりじゃ!?)
-電話を通し、しおりに話が聞こえてくる
-電話を切り、走り出すしおり
<夜の公園>
-傷に手をあて、なんとかベンチまで移動する領
-領の電話が鳴る
領:…成瀬です…
-体を必死に起こす領
わかりました。
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僕はあの日からずっと
独りきりで生きてきました
信頼とか
絆とか
そんなものは一切捨ててきたつもりだったんです
愛情や
人を想う気持ちさえも
でも
そうではなかった
あなたはいつも
僕を見ていてくれた
あなたの温かな想いが
僕の心の冷たい棘を
優しく溶かしてくれるような気がした
一番、大切なものを
置き去りにしようとしていた僕に
その無益さを教えてくれたのは
あなたでした
今までの過ちを捨て
新たな未来を
あなたと一緒に生きていけたら
あなたを近くに感じるたびに
何度そう夢見たかわかりません
でも
僕はもう
後戻りする事はできません
あと、1人
どうしても死ななくてはいけない人間がいるんです
しおりさん
申し訳ありません
そして
今までありがとう
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-傷に手をあてながら必死で人ごみを歩く領
-走るしおり
-痛みに顔をゆがめる領
-まっすぐ歩く直人
-痛みの為、足取りが重くなる領
-朦朧としてくる領
-血で染まった手でスーツのジャケットのボタンを締め
シャツの血を隠す領
領:死ぬわけにはいかないんだ…!
<スクラップ置場>
-普通の足取りで現れる領
-領に背中を向けて立っている直人
-領に気付き振り返る直人
領:結末にふさわしい場所ですね
-お互いをまっすぐ見ている2人
直人:最後の標的は俺か…?
-銃を出す直人
あんたの復讐は
未完成のまま終わる
-銃を向ける直人
俺のせいで
沢山の人が死んだ
オヤジや兄貴まで
俺のせいで始まった復讐だ
だから俺の手で止めるしかないんだ
-銃を構える直人
-微笑む領
-手が震えている直人
-笑みがなくなる領
領:何を迷っているんです!
憎くないんですか
あなたは
たった一人の父親と
やさしいお兄さんを奪われた
そして、かけがえのない親友まで殺された
殺しても
飽き足らないほど憎いはずだ!
違うか!
法律では
僕を裁けない
復讐のチャンスは今しかないんだ!
早く殺せ!!
-銃を下ろす直人
直人:…あんたの目的はこれだったのか
俺に自分を殺させる事だったのか
罪を逃れた俺に
今度こそ人を殺した裁きを受けさせる為に
自分の命を犠牲にしてまで
領:あなたは
-涙を流し始める領
まだ分からないんですか
僕の人生に
失うものなんて
なかったんだ
秀雄と母が死んでから…!
これで
全部終わる
ようやく
僕が僕に帰る時が来るんだ!
-直人に近づいていく領
さぁ、撃ってください
これは
真実から逃げた
あなたの義務なんです
撃つんだ
終わらせるんだ
直人:やめてくれ
-後ずさりする直人
領:僕を撃て!
それがあなたの役目だ
僕を殺せ!
-銃を持った直人の手を握る領
-銃を落とす直人
直人:…できない
あなたをそこまで苦しめたのは俺だ
俺には…
俺にはあなたを殺せない
領:…終わらせるんだ
-銃を拾う領
領:このまま生きていても
僕は
自分を許せない
もう終わらせるんだ
-銃口を頭につける領
直人:やめろ!
-直人が銃口を逸らした瞬間銃声が鳴る
おちつけ!
領:もう終わらせるんだ
もう僕を殺してくれ!
直人:やめろ!
落ち着け!
-もみ合う2人
-銃声が響く
-膝をつく直人
-動けない領
-倒れる直人
領:おい
しっかりしろ
-ハンカチを傷口に当てる領
おい、しっかりしろ
-携帯電話を出す領
-電話を制止する直人
直人:こ、これでよかったんだ…
最初からこうしていれば
-領の手を握る直人
生きてください
せ、精一杯
自分の為に
生きて…下さい
友雄さん
ゆ、許してください
俺のことも…
あなた自身も
-力尽きる直人
領:し、しっかりしろ
め、目を開けてくれ
-直人を抱き寄せ号泣する領
おい!
死ぬな
死ぬな、芹沢
死ぬなー!!!
-直人を壁際へ座らせ、隣に座る領
‐‐‐‐‐‐直人:はじめまして
‐‐‐‐‐‐直人:人は元々いいヤツだと想うです
‐‐‐‐‐‐直人:きっと犯人もそうです
‐‐‐‐‐‐直人:死んで償う事も考えました
でもここまで生きてきてしましました
‐‐‐‐‐‐直人:あなたをこんな目に合わせたのは
全部俺の責任です
-直人を見つめる領
領:許してくれ
僕の事も
あなたの事も
-駆けつけたしおり
-仲良く寄り添うように眠っているような領と直人
-直人の手には秀雄のハーモニカ
-2人の姿と重なる天使・ルシファー