水に浮かぶ 一片(ひとひら)の花弁


ささやかな 波紋を起こし


ただ 浮かぶ花弁




月光を受け 萌える水草


絡みつく程に 優しく激しく


ただ 揺れる水草




沈む程に 鮮やかに


景色は変わっていくけれど


散らばっていく 泡沫だけが


ただただ 儚げで




静かに 水面(みなも)を割って


沈んでいく 清らかに


閉じた瞳 交差する腕


流れ星は微かに輝いて消えた




両手に抱えた思い出達は


流れ出して 溢れていく


戻らない日々願ってみても


流水は留まる事を知らず




伸ばした手は ただ水を掴み


波紋だけが 流れていく


何事も無かったように


水は全てを飲み込んで