ビタミンDの基本的な役割
ビタミンDは脂溶性ビタミンの一種で、ホルモンのような働きも持ち、体の様々な機能に関与しています。主な役割は:
-
カルシウムとリンの吸収を助ける(骨の健康)
-
免疫機能の調整
-
筋力維持や神経伝達
-
細胞の増殖や分化の調整
ビタミンDは食事からも摂取できますが、主に皮膚が紫外線(UV-B)に当たることで、体内で生成されるという点が非常に重要です。
ビタミンD不足によるデメリット
1. 骨や筋肉のトラブル
-
小児:くる病(骨が柔らかくなり、変形する)
-
成人:骨軟化症や骨粗しょう症(骨密度の低下、骨折リスクの増大)
-
筋力の低下や転倒リスクの増加(特に高齢者で顕著)
2. 免疫力の低下
-
ビタミンDは自然免疫・獲得免疫の両方を調整しており、不足すると:
-
感染症(風邪やインフルエンザ、肺炎など)にかかりやすくなる
-
自己免疫疾患(例:多発性硬化症、1型糖尿病、関節リウマチ)のリスク増加が報告されている
-
3. 精神・神経系への影響
ビタミンD受容体は脳にも存在します。
うつ症状との関連性が指摘されていたり、季節性情動障害(冬に気分が落ち 込みやすい) の一因にも。
認知機能の低下やアルツハイマー型認知症との関連もあると考えられている。
4. 代謝異常・生活習慣病リスク
-
インスリン分泌や感受性に関わっており、ビタミンD不足が長期化すると:
-
2型糖尿病のリスク上昇
-
高血圧、心血管疾患の発症リスク増加
-
誰がリスクが高いのか?
-
屋内中心の生活をしている人
-
高齢者(皮膚でのビタミンD生成能力が低下)
-
日焼けを避ける生活習慣の人(UV対策を徹底している人など)
-
色黒の人(メラニンが紫外線吸収を妨げる)
-
肥満の人(ビタミンDが脂肪に取り込まれやすく、血中濃度が低下しやすい)
どうやって予防・改善できるか?
日光浴(最も効果的)
-
1日15〜30分、週に2〜3回程度、(地域・季節・肌の色によりますが基本このくらいなら日焼けしないのでおすすめ。)
食品からの摂取
-
魚類(特にサケ、サンマ、イワシなど)
-
卵黄、きのこ類(特に日光に当てたしいたけ)
-
強化食品(牛乳やシリアルなど)
サプリメント
-
ビタミンD3(コレカルシフェロール)を推奨
-
推奨摂取量は年齢や状況により異なる(成人で600~800 IUが目安)
-
一つ注意なのがビタミンD3って取りすぎると、骨じゃなくて血管や組織に沈着してしまう可能性(動脈硬化や石炭化のリスク)があるんです。
検査と対策
血中の25(OH)D濃度を調べることで、体内のビタミンDの状態が分かります。もし不足していれば、医師の指導のもとサプリメントや生活習慣の改善を行うとよいでしょう。