皆さんちゃんと寝れてますか?

 

睡眠不足による悪影響は数多ありますが、

具体的にどんな事が起きるのかご存知ですか?

今回は睡眠不足の多大なる悪影響と、日々のパフォーマンスを底上げしてくれる快眠を取るには

どうすれば良いのかを話していこうと思いますが、これには経緯があります。

 

 

実は私、睡眠障害があり一時期は眠るのに平均30分から1時間ぐらいかかってました。

でもなんとか直そうと睡眠について勉強して、実践していったら毎日7~8時間しっかり眠れるようになりました。

 

そう、やり方さえ学べば直せるんです。

なので皆さんも睡眠に自信が無いなら、本記事の内容を実践して変えていきましょう!!

 

 

ちなみに本記事はいつもよりエビデンス多めなので、より信憑性に満ちた物になっているかと思います。

是非、最後までお付き合いください。

 

集中力と認知機能の低下

睡眠不足が集中力認知機能に影響を与える事を示唆する論文は物凄く多いです。

 

 

 

2010年のメタ分析では、70件の研究から147の認知テストデータを統合し、注意力作業記憶処理速度推論など6つの認知領域における睡眠不足の影響を評価しています。

 

特に、単純な注意力においては大きな影響が見られ、効果量は(Hedge's g = -0.776, p < 0.001)、睡眠不足が認知機能に有意な悪影響を及ぼすことが示されています。

 

※Hedge's g = -0.776ってかなり大きい影響です。

※ p < 0.001はその結果が偶然出る確率が0.1%未満であると言う意味です。

 

 

 

2019年のメタ分析では、48件の研究(合計4,539人)を対象に、不眠症が認知機能に与える影響を評価しています。

主観的な認知パフォーマンス(g = -0.35)、知覚機能(g = -0.24)、作業記憶(g = -0.52)

 

 

基本的に他の研究でもワーキングメモリー(短期記憶)の低下が顕著です。

 

 

2024年のメタ分析では44件の研究を統合し、2〜6時間睡眠が翌日の認知機能に与える影響を評価しています。

主観的な眠気の増加持続的注意力の低下反応速度の低下作業記憶や抑制制御の低下などが確認されました。

 

特に、注意力作業記憶に対する影響が顕著であり、睡眠時間が短いほど影響が大きくなる傾向が示されています。

 

 

私の個人的な意見ですが、基本的に睡眠不足は身体的な悪影響はもちろんですが、
頭のパフォーマンスなどの悪影響の方が如実に現れるように思えます。

 

なので知的活動を行っている方にとって、睡眠不足は致命的と言えます。

メンタルが悪くなる

睡眠不足は明らかにメンタルの悪化やうつに相関があります。

 

2016年のメタ分析では、18件の研究(34の実験)を分析した結果、

完全な睡眠剥奪は不安を有意に増加させることが示されたり、

 

 

 

2017年に行われた153の疫学研究を統合(総参加者数500万人以上)したメタ分析では、睡眠時間6時間未満は、うつ症状のリスク上昇と有意に相関OR = 1.31, 95% CI: 1.12–1.54)

 

精神疾患だけでなく全死亡率心疾患リスクとも関連。

睡眠時間が短くなるほどメンタル・身体両面悪化する可能性が高いようです。

 

 

 

2019年の31件の研究を分析した論文では、睡眠不足によりネガティブ感情の認識が増加(効果量 Hedges’ g = 0.47)。

ポジティブ感情の反応は低下(g = -0.38)

 

情動的刺激への過剰反応も強調されていました。

 

 

 

2021のメタ分析では、65のランダム化比較試験(合計8,608人の参加者)を分析した結果、

睡眠の質の向上は、うつ病(効果量g+ = -0.63)、不安(g+ = -0.51)、ストレス(g+ = -0.42)など、さまざまなメンタルヘルスの指標において大きな改善効果を示しました。

 

 

不眠は扁桃体が過剰に活動したり前頭前野の抑制低下により感情制御機能が低下します。

太りやすくなる

食欲って何で左右されると思いますか?

 

正解はホルモンです。グレリン(食欲上昇)  レプチン(食欲減衰)が食欲の指揮をしている訳ですが、

睡眠不足になるとこのバランスが崩れ、過食や甘いものへの欲求が強くなります。

 

これは太りやすさに直結します

 

2014のメタ分析では、197,906人の成人を対象に、短い睡眠時間(6時間未満)が肥満のリスクを高めることが示されました。

 

具体的には、短い睡眠時間の人は、正常な睡眠時間の人と比較して

肥満のリスクが1.45倍高いと報告されています。

 

一方、長い睡眠時間(9時間以上)と肥満との間には有意な関連性は見られませんでした。

 

 

また、2016年のメタ分析では、35,540人の子供と青年を対象に、短い睡眠時間が肥満のリスクを1.71倍に高めることが示されました。

 

地域や睡眠時間の定義、肥満の基準などによる差異はあるものの、

全体として短い睡眠時間が肥満のリスク要因であることが確認されています。

 

 

2024のメタ分析では、短い睡眠時間ウエスト周囲径の増加有意に関連していることが示されました。

 

具体的には、短い睡眠時間の人は、正常な睡眠時間の人と比較してウエスト周囲径の増加のリスクが1.08倍高いと報告されています。

 

こちらも2014年の研究同様、長い睡眠時間(9時間以上)と腹部肥満との間には有意な関連性は見られませんでした。

 

研究によって差はあるものの、基本的には太りやすくなると言って良いと思います。

記憶力の低下

何か新しいことを学んでいる方にとって、記憶力はとても大事な要素ですが、睡眠不足だと低下することが分かっています。

 

2021年のメタ分析では、​学習前および学習後の完全な睡眠剥奪(最低1晩の徹夜)が記憶力に与える影響を調査しています。

​1970年から2020年までの研究を対象に、以下の2つのメタ分析を実施しました。

 

学習前の睡眠剥奪

  • 記憶力に中程度から大きな悪影響(Hedges' g = 0.621, 95% CI [0.473, 0.769])が確認されました。

  • これは、学習前に睡眠をしっかりとることが新しい情報の記憶形成には必要不可欠であることを示唆しています。

 

学習後の睡眠剥奪

  • 記憶力に小から中程度の悪影響(Hedges' g = 0.277, 95% CI [0.177, 0.377])が見られました。

  • 特に、手続き記憶(技能や習慣)に対する影響が顕著でした。

 

つまりしっかり睡眠をとる事が記憶の定着を助けていると言えます。なので徹夜で勉強とかは論外です笑。

 

 

 

 

2024年のメタ分析では、39件の研究から得られた125の効果量を分析し、

睡眠時間を3〜6.5時間に制限することが記憶形成に有意な悪影響を及ぼすことが示されました(Hedges’ g = 0.29)。

 

特に、徐波睡眠(SWS)の制限が他の睡眠段階の制限よりも記憶に対する影響が大きいとされています。

 

改善方法

「睡眠が重要なのは分かったけど、どうすれば睡眠の質を上げられるの?」
...という方、ご安心ください!
 
ちゃんと科学的に効果があるとされる改善法を調べました。

就寝、起床時間を固定する(1番大事)

基本的に日によって就寝起床時間がバラバラだと集中力が低下します。アラームを使ってない方は使った方が良いでしょう。

 

よくアラームをかけることは体からすれば異常事態(異音)で起きてる訳だから、アラームをかけずに自然に起きた方が良いという意見を聞きます。

 

ですがこれはサーカディアンリズム(概日リズム)がしっかり整っていて日の光で目が覚めるという一連の流れができている方であれば良いと思いますが、

 

 

もしあなたが不眠睡眠の質が悪い目覚めが悪いと感じるのであれば、アラームで毎回起きる時間を固定したほうが良いと私は考えています。

 

職業上厳しい方も居ると思います。私は転職する事をおすすめしますが、寝具環境に気を使い睡眠の質を上げる事ができればマシにはなります。

就寝2~3時間前には電子機器を使わない

人間は目に強い光が入るか否かで朝か夜かを判断します。なのでスマホの光が入るだけで脳は朝だと勘違いしてしまいます。

なので、就寝前に関してはスマホなどの電子機器は使わないようにしましょう。

運動をする

日中に運動すると睡眠の質が上がります。運動による効果もありますが、何より日の光を浴びるとセロトニンビタミンdが生成されて睡眠の質が良くなります。

 

一応ベランダとかでも良いですが、15分くらいは浴びないといけないので普通に散歩するのが良いと思います。

ビタミンdについては過去の記事で解説しているのでビタミンdの知識も付けたい方はどうぞ。

ビタミンDは出さないとヤバい!驚異のビタミンD不足の影響と改善方法とは!? | NEO-yのブログ

ストレス対策をする

早く寝ないといけないのに全然眠れない。という経験、誰でもあると思います。

この時頭の中で渦巻くのは大抵、悩みなどのネガティブなものだと思います。

 

そういった悩みなどを紙に書きまくる筆記開示というものがあります。このストレス解消効果は科学的に証明されているため、やってみる価値はあります。

 

本当なら20分ほどやったほうが良いのですが、いきなりやると挫折するので5分くらいから始めましょう

就寝前の儀式をする

同じ行動(おすすめは読書か瞑想)を毎晩繰り返すことで、脳が「眠る時間だ」と認識しやすくなります。

瞑想を習慣化するなら3~5分くらいから始めて、徐々に増やしましょう。

入浴

1~2時間前に済ませるのが理想です。人は体温(深部体温)が下がった時に眠くなります。

1~2時間前に体温が上がるとちょうど寝るときに深部体温が下がり眠くなります。

カフェイン・アルコールの摂取タイミングには注意

カフェインは言わずもがな覚醒作用がありますから寝付き、睡眠の質も下げます。

アルコールは寝酒という言葉がある通り入眠は促しますが質は悪くするのでおすすめしません。

 

室温

基本暑いのはNGとされています。

室温は20℃くらいが理想で、布団がないと寒いくらいにすると良いと思います。

布団

寝具は睡眠の質に直結するので絶対ケチっちゃだめですよ!
自分の場合はこれを使ってます。

環境音

環境音はできるだけ静かな方が良いです。洗濯機食洗機などは寝てる間に済ませたいところですが、

睡眠の質を高めたいなら回さない方が良いです。

 

あと耳栓は基本付けたほうが良いと思います。

世界保健機関(WHO)のシステマティックレビューとメタ分析の更新版では、

夜間の交通騒音が睡眠障害のリスクを高めることが報告されています 。

 

特に40~65 dBの範囲で睡眠障害のリスクが増加することが示されています。​電化製品の音もこの範囲に該当することがあります。

 

 

静寂の快眠へ誘う耳栓

この耳栓やばい色してますけど、結構音遮ってくれるんで重宝してます

10ペアもあれば長期的に使えるのでおすすめです。

 

 

 

おすすめの本

この本はかの有名なスタフォード大学医学部教授、西野精治さんが書いた本で、

 

寝溜めに効果はあるのか?」「睡眠中、脳では一体何が行われているのか?」「睡眠の質を上げるには何をすれば良いのか?」など基礎的な部分から、「起床時、しっかり覚醒するのがいかに大事か」「どうすれば良好な覚醒を促せられるのか」のような、

睡眠に関する本では珍しい"覚醒"という概念について触れています。

 

そしてこの覚醒が睡眠の質を高めるの必要不可欠であり、1番に学ぶべき知識だと思います。

 

睡眠の知識を深めたい方には是非おすすめします。

 

 

 

引用元

A Meta-Analysis of the Impact of Short-Term Sleep Deprivation on Cognitive Variables - PMC

 

Insomnia and cognitive performance: A systematic review and meta-analysis - University of Arizona

 

Impact of one night of sleep restriction on sleepiness and cognitive function: A systematic review and meta-analysis - PubMed

 

Effects of acute sleep deprivation on state anxiety levels: a systematic review and meta-analysis - PubMed

 

Short sleep duration and health outcomes: a systematic review, meta-analysis, and meta-regression - PubMed

 

Sleep and emotional processing - PubMed

 

Improving sleep quality leads to better mental health: A meta-analysis of randomised controlled trials - PubMed

 

Sleep duration and obesity among adults: a meta-analysis of prospective studies - PubMed

 

Short sleep duration and obesity among children: A systematic review and meta-analysis of prospective studies - PubMed

 

Short sleep duration is associated with higher risk of central obesity in adults: A systematic review and meta-analysis of prospective cohort studies - PubMed

 

Sleep deprivation and memory: Meta-analytic reviews of studies on sleep deprivation before and after learning - PubMed

 

A systematic and meta-analytic review of the impact of sleep restriction on memory formation - PubMed

 

Environmental Noise and Effects on Sleep: An Update to the WHO Systematic Review and Meta-Analysis - PubMed