半島を出よ/村上龍 | 読書感想文的書評

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書評などと言えるものではございませぬ。

半島を出よ (上)/村上 龍

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僕はジャーナリストみたいになっている村上龍がホントに嫌い。


いつからか彼の小説には社会問題に対するメッセージのようなものがたっぷりわかりやすく盛り込まれていて、僕はそういうメッセージを感じるとすごい不快になる。


小説はやっぱりエンターテイメント、そういう事はノン・フィクションで書けばいいじゃんというのが僕の考え。


この『半島を出よ』も北朝鮮問題と日本の危機管理問題、他にも食料問題だとか金融問題だとか現代の日本が抱えるさまざまな問題が取り上げられている。

そんなこと言ってるくせに読んでしまうのは、彼の小説がすごく好きだからなのだが。


彼の小説はエンターテイメントとしてやっぱり面白い。

もちろんこの小説も。


僕は通勤電車で本を読んでいるので5cmのハードカバーで上下巻、カバンは重いし、手は攣りそうになるし、そのうえ登場人物が多くてなかなか覚えられず何度もページを戻って読み直したり…と大変だったのだが、それでも夢中で読んでしまった。


結局のところ、別に小説家とジャーナリストをきっちり線を引いてわけなくてもいいか。面白いから。


いろんな意味でズッシリとした作品である。


是非ご一読を。