楽な哺乳瓶に慣れてしまい、おっぱいを嫌がることを「乳頭混乱」というらしい。
紗季がまさにソレ。

産まれてから9日間入院し、その間ほぼ哺乳瓶。
だから戻ってこなくなってしまった。
空腹時に抱っこすると、顔を内側に向けて口をパクパクし、おっぱいを探す
という本能はあるのに、実際のおっぱいは吸ってくれない。

今まで一度もまともに吸ってくれた試しが無い。
「は?出てきませんけど?」
的な顔で固まる。もしくは泣く。

いくら母乳育児にこだわっていないとはいえ、さすがにこれはショックで、
普通におっぱいを吸っている赤ちゃんを見ると悲しくなる。
吸ってくれないから母乳も減る一方。
搾乳だけでは限界がある。

たった数十ミリリットルしか出ない母乳の為に、
食べたい物も飲みたい物も我慢して・・・・・
お腹の肉が凹まないけど、御飯もたくさん食べて、味噌汁ガバガバ飲んで。

いっそやめてしまおうかとも思ったけれど、どうしても諦めきれない。
数ヶ月したら吸えるようになったという話も聞くし、まだ乳腺を途絶えさすのは勿体無い。
本当はコッソリ完全母乳育児を狙っている。
誰にも言ってないけど。


乳児湿疹治らんがなー
(わからんけーん)



で、そんな紗季さんの為に、何故かたくさんの哺乳瓶と乳頭がある。
最初から買っておいたドクターベッダの哺乳瓶とその乳頭2種類。
新生児の頃はソレでは飲みが悪かったので、姉に相談したところ

姉「新生児用の哺乳瓶使いん。ほんで乳頭の穴んとこを爪楊枝で広げりん」

広げてみた。

ゆ「イマイチ変わらん気がするし、飲まん」

姉「んじゃ箸で穴広げりん」

ゆ「んな無茶な・・・・・」

・・・・・広げてみた。

ら、見事に飲むようになった。
飲むというよりは、この場合「流し込む」だろう。
成長して吸う力がついたら普通の穴の乳頭に戻さなくてはならない。

戻さなくてはならない。

と思いつつ一ヶ月が過ぎた。
顔の肉もでっぷり成長した。
箸を通してただでさえ広がっている乳頭の穴は、毎日洗っているうちに更に大穴になっていた。

気づいたら新生児とは思えない程のマッハでミルクを飲み干すスーパー紗季さんになっていた。
珠羽が牛乳を飲む速さと大差無かった。
さすがにむせて、ドリフばりにふいて泣くようになった。

姉「箸穴変えた?」

ゆ「まだ・・・・・」

姉「遅いわ!!!」

怒られた。

ということで、ドクターベッダの哺乳瓶に戻したところ、
今度は「出が悪い!」と怒り泣き。

そんな時なのに、

ゆ「最終的な目的は直接母乳を吸わせることなので、直母の為の訓練哺乳瓶にしよう」

と、タイミングの悪い決断をし、数ある哺乳瓶の中でも出が最悪の「母乳相談室」に変更。

これが意外にも泣かずに吸ってくれる。
形が気に入ったんだろう。
しかし、とにかく母乳を直接吸うみたいに頑張って吸わないと出ない構造になっているので、
出が悪い。悪い。
100ml飲むのに40分かかるという脅威の無駄な時間・・・・・。
母子共に疲労困憊で、最後の方は二人そろって夢の中(でも哺乳瓶は二人とも離さない)

ゆ「よし、じゃあコレの中間にしよう」

と、母乳実感というシリーズのSサイズでファイナルアンサー。
これなら出も普通で、母乳を直接吸うのに近い形。
数日でコロコロ替えられて、文字通り乳頭混乱して泣き通しの紗季さん。
可哀想なのでもう絶対変えないぞと心に誓う。

んが。
如何せん今まで流し込まれていた人がいきなり上手に吸えるはずもなく、
ちょこちょこ飲んでは疲れて寝てしまう。
1回の量が減り、その変わり短い時間でお腹がすいて起きる。
夜中だろうと同じなので、つまり3時間も寝るということは不可能に・・・・・。

ゆ「それはきついな・・・・」

ということで、夜だけドクターベッダの哺乳瓶に戻してみた。

旦那「へ?また変えるん?」

ゆ「あいや・・・ううぅぅ・・・・・あ゛ぁぁぁどーしよぅ!!!!!」







混乱しているのは私である。





※今は母乳実感のSサイズに慣れ、落ち着いとります。